地域住民の一員としてワークを
エネルギッシュに地域で活動☆


名前
池田誠さん
大沼マイルストーン22
プログラム名
大沼1
開催年
2004年~
内容
国有林の手入れや石積作業、
湖水祭りのお手伝い
プロフィール
一般財団法人北海道国際交流センター(HIF)事務局長
1961年函館生まれ。大学卒業後、旅行会社JTBに勤務。退社後、ニュージーランドでグリーンツーリズムを学び、2年間、新得町の共働学舎で暮らす。現在、外務省NGO相談員、ESD-J理事、北海道地球温暖化防止活動推進員、大沼マイルストーン22代表などの他、ボラナビ倶楽部の理事を務める。北海道七飯町在住。

NICEと初めての出会いはどんなきっかけでしたか?

1997年の箱根会議で代表の開澤さんと出会ったのが初めての出会いでした。箱根会議は、全国各地の国際交流活動の担い手たちの集まりで、当時名だたる国際交流団体の重鎮たちと一緒に会の運営に携わっていた開澤さんに非常にエネルギーを感じました。文化会で話すきっかけがあり、そこから国際ワークキャンプを北海道でやろうという話で意気投合しました。

その出会いが、北海道でのワークキャンプの始まりだったのですね。

北海道でワークキャンプをやりましょうということで、当時自分がいた共働学舎新得農場を紹介しました。共働学舎では、現在でもワークキャンプが続いています。私自身は、その年の3月まで新得にいまして、初めての国際ワークキャンプに関わることができませんでした。その後、地元で大沼がある七飯町に戻ってきました。大沼に戻ってきたあとも、ぜひ、国際ワークキャンプを実施したいと考え、開澤さんに相談をもちかけまして、大沼の漁業組合の方と国際ワークキャンプをやろうということになりました。開催までは、数年かけて、週末ワークキャンプなどを開催しながら、準備をしてきました。

国際ワークキャンプに対する地域住民の方の反応はどのようなものでしたか?

2004年にワークキャンプを始めるにあたって、地域住民の方に事前の周知イベントを行いました。そのイベントには、たくさんの方に参加いただき、よいスタートがきれたと思っていました。しかし、いざ国際ワークキャンプで多くの外国人の方が地域にやってくると、地域の方の戸惑いもあり、住民の方々の理解を得ていくのは、時間がかかりました。

池田さんは、日常的にも国際交流をコーディネートされていますが、地域の中に活動が浸透していくために、工夫されている点を教えてください。

国際ワークキャンプは、地域に若い人たちが来ることや、外国人が来てくれるという意味では、非常に大きなインパクトがある活動です。よって、私は来てくれる参加者の人たちに、その地域の中で暮していくことを大事にしています。国際ワークキャンプというのは、非常に目立つ活動でもあるので、宿泊場所から出たら、地域住民の一員でもあるので、その自覚をもって、マナーある行動をお願いすることや、団体行動であることを伝えています。
そういったことの積み重ねによって、地域住民のなかで、ワークキャンプは浸透をしていき、いまでは地域のなかで、ワークキャンプは誰もが知る共通の活動となりました

現在、大沼では中長期ボランティアや国際ワークキャンプを複合的に受入されていますが、それぞれのプログラムについて、受入側の視点からみた特徴などを伺えますか?

国際ワークキャンプは、大勢の方がきて、地域の住民にとってのインパクトは、先ども申し上げたとおりで非常に大きいです。存在感のある活動です。人数も多いので、人手のいる作業が非常に進むので、地域の住民にとっても分かりやすく、交流が広がっていきます。
中長期ボランティアは、少人数が長く地域に滞在をしてくれるので、その国際ワークキャンプで広がった種を根付かせてくれる力があります。地域に与える印象というのは、大きく違います。
地域の方も中長期ボランティアの参加者は、自分たちの子どものことのように接してくれています。参加者も滞在が長い分、地域のことをしっかり理解をしてくれ、作業なども、職人さんの熟練した技術をしっかり学んでくれます。最後は、涙涙のお別れになります。

その中で、これまでの国際ボランティアが果たしてきた役割はどのようなものでしたか?

大沼は、2012年にラムサール条約事務局が保管する「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に登録されました。この登録については、私は国際ボランティアがひとつのきっかけを作ったと思います。
私達が世界中から集まるボランティアと地域住民が一体となって大沼湖の保全をしていることを知って、EPO北海道の方が何度も視察にきてくれていました。そのことが、北海道にある環境省のラムサール条約の担当の方の耳に入り、大沼にいらしてくださったのが、ひとつの起点となりました。
グローバルな活動ながらも、地域の人たちも一緒に参加をして守ってきた大沼が、国際的な条約によって登録されたことは、非常に嬉しいことです。

最後に、今後のNICEやワークキャンプ、中長期ボランティアに期待することはなんですか?

私達が暮す地域は、日本の多くの農山村と同様、少子高齢化が進んでいます。その中で、国際ワークキャンプや中長期ボランティアがエネルギッシュに地域で活動をしていくことに、大きな期待をしています。
また、現在は、中長期ボランティアは2ヶ月半の活動になっていますが、私は、いつでも若い人たちや外国人がいてくれる通年のプログラムにしていきたいという希望があります。
高齢化していく地域に、常に新しい風がはいって、大沼を拠点として、参加する若者が育っていき、地域を活性化してくことに、大きな効果があると思います。国際ボランティアは、大沼には欠かせないものなっていますので、今後もよろしくお願いします。

これから新規開催をする方々へ向けて、一言アドバイスをお願いします!

大いにアドバイスしますので、一緒に地域を盛り上げることをやってゆきましょう!

お忙しいなか、インタビューに答えて頂き、ありがとうございました。(聞き手:上田英司)