体験談・阿蘇

 


地域と参加者の活力の融合

 
 ボランティア自体が初めての経験であった僕にとって、行ったことのない熊本の地で、苦手な英語を使って取り組むということには大きな不安がありました。それでも頑張ってみようと決心がついたのは、キャンプの約2週間前に起きた記録的な大雨による水害事故を東京の自宅で見たときでした。ニュースという形で聞き流すだけではなく、実際に自分の目と足で確かめ、自分自身の行動でなにかしら現地にプラスの影響を与えることができないかという気持ちが強くなり参加に至りました。

 実際にワークを開始してみて、当初の不安であった英語による言葉の壁はまったく問題ありませんでした。外国からの参加者は、自分のカタコトの英語でも一生懸命聞き入れる努力をしてくれ、また積極的に日本語を覚えようとしてくれていたので、キャンプ開始から数日で円滑にコミュニケーションをとれるようになったのはとてもありがたかったです。キャンプ終盤には、わざと日本語を間違えたり日本語のギャグまでマスターしていたりと、日本の文化や言語に高い関心を持ってもらえて嬉しく思いました。

 一方でボランティアに関しては、当初は私たちの側から被災者に元気を与えられたらと考えていたのに、実際は感謝の言葉とともに私たちのほうが元気づけられているような感覚が強かったです。自分の中で、「もっともっと役に立つことがしたい」という気持ちが日に日に強く感じられるようになったのは、今回のキャンプでの大きな収穫だったと思います。地域の方の復興を目指す力と、私たちボランティア側の人のために何かをしたいという力が合わさって過ごせた10日間は本当に有意義なものでした。

 このような場を設けていただいた現地の方や職員の方、そしてなにより協調性を持って一緒に活動してくれたメンバー全員に感謝したいと思います。本当にありがとうございました。来年からは社会人となるため、ボランティアという形で携われる機会も限られるとは思いますが、今回身をもって学んだ「支えあう力」を社会でも活かしていきたいと感じました。


  
* 阿蘇市ホームページ http://www.city.aso.kumamoto.jp/