香港 Ping Cheについて


香港 Ping Cheとは?

大都会香港。超高層ビルが所狭しと並ぶ国をイメージすることが多いと思います。
そんな中心街から北東へ、電車を乗り継ぎ1時間半。
同じ香港とは思えないような、ゆったりとした時間の流れる農村部があります。

 
(村の入り口がかわいい!)


ここ、Ping Che(坪輋)は、香港と中国の境目にある地域。
山を登ると、向こう側に深圳が見えるほど近いのです。


(Ping Che側からみた、深圳)

そんなPing Cheは今、開発の危機にさらされています。
中国からのアクセスがよいために、香港政府にはPing Cheを開発し、
ここにもビルやショッピングモールを建てる計画があるそうです。


高速道路の建設もはじまっています。

この村を、どうしていったらいいんだろう。
このまま黙って開発の波にのまれるのを待つのは、とても悲しいことです。
わたしたちにできることは、ないのでしょうか。

 
Ping Cheの人たちのこと

村の人たちは、自然と伝統の残るこの地を守るために活動しています。


(Ping Cheのローカルリーダー、Choiさん)


「この村が美しければ、訪れた人の心に残り、多くの人に愛される場所になる。
それが結果として、村を守ることになる。」

そんな想いのもと、アートに長けた住民が中心となって、
Ping Cheを「美しく、記憶に残る村」にする活動が始まっています。

その活動に、外から人をあつめ、
いっしょになって村のことを考えていくのが、ワークキャンプの役割です。

 
ワークキャンプでやっていること

美しい村として、Ping Cheを守っていくために、
私たちは村全体をカラフルにペインティングしたり、
花壇を作ったりしています。

「アートなんて、センスないんだけど…」
そんなあなたも大丈夫!
ペイントのベースとなる壁を真っ白に塗ったり、
花壇を作るような肉体的なワークを率先して行うこともできます。
(下記の参加者の声も、ぜひ参考に。)





また、文化交流ナイトを企画し、
日本料理と香港料理を作って食べあったり、
各国の文化を紹介する時間もあります。

 

それぞれができることを、無理のない範囲で
楽しく行えばいいのです。

村を訪れ、村に滞在してみて、
地域の人たちと話して、村のことを五感で感じてみる。

それがPingCheを支えるのかもしれません。

過去の参加者の声
ワークキャンプの最終日。
ワークキャンパー全員でワークキャンプを漢字一文字で表して、全員で発表していく時間があった。
自分の漢字は”裏”. (= Back). まさにワークキャンプのバックグラウンド。
キャンプサイトのPing Cheで今起きていることを香港人との交流の中で深く感じ、
政治問題まで掘り下げて学ぶことができたワークキャンプだった。

 
主なワークは、村の建物に絵を書いて、少しでも村を美しく残すこと。
自分は絵を書くのは得意ではないけれど、簡単な部分の塗りつぶしや、
マスキングテープの貼り付けなどをやらせてもらった。
絵を書く時間は、香港人のキャンパーといろいろなことを話したり、
お互いの国の音楽を歌ったりしながら描いているから、絵が得意じゃなくてもすごく楽しかった。

絵を書く目的は、簡単に言うと平和的な”反抗”だと思った。
Ping Cheは香港政府によって、再開発地域に指定され、2015年4月から再開発が始まってしまうとのこと。
また、中国の安価な農作物を仕入れる動きの中で、Ping Cheの農家はつぶされかけている。
さらには、政府と暴力組織が絡んでいるのか、
一部の農家は意図的に農作物を破壊されるなどの被害を受けたとのこと。
そんな状況を少しでも多くの人に知ってもらいたい。
その手段が美しいペイントで世界へ発信することだった。


4日間(実質ワークは2日間)では、さすがに一つの建物のペイントを完成させることはできないけれど、香港内のチームと一緒にペイントを完成させていく。
ワークキャンプが終わって1ヶ月くらいたった後、香港人のリーダーが多くのボランティアの手によって完成したペイントの写真を送ってくれた。その写真を見たとき「こんなに綺麗に変わったんだ」と思った。

3日目のジャパンナイトが終わった後。
夜11時くらいにも関わらず、アクティビティーだと言われて近くの丘に行った。
丘のすぐ先に見えるのはキラキラ光る深圳(中国)の高層ビル。
パラグライダーがあればすぐ行けてしまいそうなほど、近くに見える。
そこで住民が、今中国との間で起きている状況をいろいろ教えてくれた。
仕事で一度行ったことある深圳でも、バックグラウンドを理解した上で香港側から眺めると全く違って見えた。


”裏”は中国語(北京語)では”里” = Hometown。
Ping Cheは地元住民の故郷であって、いろいろな危機の中でも温かく自分達を迎えてくれる。
その中で、地元の人々やワークキャンプメンバーとの交流はとても素晴らしく、
思い出に残るワークキャンプだった。





≪ワークキャンプのスケジュール例(2014年3月開催分)≫
 
  午前 午後
1日目   最寄駅に集合・移動
オリエンテーション、施設の案内
ウェルカムパーティ
2日目 ワーク(ペイントや花壇づくり) ワーク(ペイントや花壇づくり)  
3日目 ワーク(ペイントや花壇づくり) ワーク(ペイントや花壇づくり) 文化交流ナイト
4日目 施設の清掃・パッキング 解散