【活動報告】赤目 17-142

17-142 赤目

場所
三重県名張市
紀伊半島の中心で、奈良の県境。大阪・名古屋から1時間ほどで、最寄りは「近鉄線赤目口駅」。赤目四十八滝へのハイキング客が多く、春は新緑、夏は涼しく、秋は紅葉、冬は氷瀑を楽しめる。
参加者
ボランティア 20人
うち日本8人、台湾12人/男性4人・女性16人
+住民多数
期間
2017年8月8日~8月17日
仕事
ナショナル・トラストの里山保全活動
宿泊
二階建てのログハウス。交代で自炊。寝袋不要。
SDGs該当項目
  
エネルギー・気候変動・生物多様性

 
ワークキャンプの背景

三重県初のNPO法人「赤目の里山を育てる会」と共催、2000年から54回目の開催。
大阪・名古屋の両方から1時間ほどで交通の便が良く、ゴルフ場開発や産業廃棄物処分場計画が地元に持ち上がるが、住民らの反対運動で進出を食い止めた。そのメンバーを中心に96年に会を立ち上げ。
里山を「守る」活動ではなく、自らの手で「育てる」活動をするという想いのもと、雑木林の間伐、椎茸の栽培や散策道整備等を展開。現在は障がいを持った人たちが最低賃金を受給しながら働ける「A型作業所」も開設し、里山×福祉の事業を行う。
 ワークキャンプ中は、機械や刃物を使うワークもあるため、安全対策指針を作り、安全で楽しい森林ボランティア活動を目指す。                
        

活動内容とスケジュール

ワーク内容
① 里山整備。木々を間伐し、林床に光があたるように手入れをする。

  午前 午後
8/8   集合 歓迎会
8/9 オリエンテーション ワーク ディスカッション
8/10 ワーク ワーク 文化紹介(台湾ナイト)
8/11 ワーク ワーク 台湾料理・中間総括
8/12 フリー(全員で伊勢神宮へ)
8/13 ワーク(奈良援農) ワーク(奈良援農) 文化紹介(ジャパンナイト)
8/14 ワーク ワーク 最終総括・お別れ会
8/15 掃除・解散    
 

様々な形で参加した赤目・奈良の方々
*伊井野雄二さん(赤目の里山を育てる会事務局長、エコリゾート赤目の森理事長)
*大熊さん、松井さん(安全講習、ワーク指導・監督)
*杉浦さん(杉浦農園経営者、奈良での援農受け入れ)
 そのほかデイサービス利用者・ヘルパーの方々

本ワークキャンプの目的と成果

里山について理解したうえで赤目の里山を保全し、自然を豊かにする

里山保全のワーク(間伐、間伐木材運びなど)を合計約24時間×20人=480人時行った。
また、最終総括ではワークの振り返りを行い、「里山が抱える問題→私たちがしたワーク→これから私たちができる事」をそれぞれ考え、全体で共有した。
里山が抱える問題、私たちのワークの意義が伝わっていることが確認でき、さらに、これからできる事として、「ワークキャンプリーダーになる」「里山の良さをSNSで発信」などと言う案も出て、有意義な時間になった。

参加者と地域住民が自然に交流を深め、地球色の友情・理解・連帯感を育てる

奈良への援農では、農家さんに里山を案内していただいたり、農園でとれた野菜でご飯をつくったり、また作業も通して農家さんと友好関係を深めることができた
農園の方の案内で水の源流をたどって山に入ったのはとてもいい経験だった。2日目のオリエンテーションで話した日本の里山を直に見ることができたとともに、都市の生活と里山の生活が繋がっていることも感じられた。

日本と台湾の国際交流によってグローバルな視点を育み、相互理解の機会を獲得する

日本人、台湾人ともに自国の料理やプレゼンを準備し、披露しあうことで
お互いの理解と仲を深めた。

台湾ナイト:台湾の里山に関するプレゼン、台湾の文化紹介を兼ねた双六ゲーム、台湾のお菓子やお茶
ジャパンナイト:花火、腕相撲大会、日本の駄菓子紹介
日本料理(流しそうめん)、台湾料理

今回の課題

大きな問題はなかったが
☹暑さもあり、ワークがハードだった(一方でやりがいもあった)
☹自然の中なのもあり、虫が多かった(問題?)
☹トイレが流れにくかった(笑)

今後の構想

① 今後も里山保全の活動を継続!
② 事前のコミュニケーショングループでの情報共有や、オリエンテーションでの里山教育など、小まめな準備・振り返りを行うことで、社会意義を感じながらワークに取り組む姿勢をつくる。

最新のプログラムは以下をチェック!

国内ワークキャンプ一覧

参加者からの声

本キャンプの良い思い出
◎ワークの目的をしっかり説明してもらえてよかった!
◎最後のお別れ会で一人一言シェアするとき、胸がいっぱいであたたかく、幸せな気持ちになった。
◎自然がきれいで、いやされた!

本キャンプの悪い思い出
〇上記の「課題」を参照
 

キャンプリーダーより

リーダーをやるにあたって一番意識していたことは、たった一週間であっても、20人分の1週間、168時間という膨大な時間と、赤目までの交通費、参加費を預かっているのだという責任である。その一週間とそれだけのお金を使えば、みんな一人一人、もっと別のことができたはずだ。バイトしてお金貯めるもよし、せっかく日本に来たのだから、台湾メンバーは沖縄や北海道にまで旅行に行き、おいしいものを食べる事だって出てただろう。それができる時間にあえてこの赤目で活動するという選択をしてくれたのである。最後に「疲れた」で終わるような活動ではなく、時間とお金を使う「価値があった」と思えるものにしようと必死になっていた。
 ほかの何でもなく、赤目でみんなに感じてもらえる価値は「里山の自然」とそこでできる「仲間」である
最後に、私と一緒に20人という大所帯をまとめてくれ、私の計画性の弱いところをカバーして導いてくれた台湾のリーダーと、私たちに最高の成長の場所を提供してくださった赤目の方々には精いっぱいの感謝を贈りたい。