【活動報告】真木 17-122

17-122 真木

場所
長野県小谷村
県西部の最北端、北アルプスの端。とにかく大自然で「北の国から」の世界。南小谷駅から徒歩2時間弱。ほぼ絶滅した日本の美しい山里原景がまだ残っている!冬は雪深く、夏でも涼しい。
参加者
ボランティア 7人
うち日本3人、外国5人(ロシア1・ベトナム1・ドイツ2・スペイン)/男性2人・女性5人
+住民多数
期間
2017年10月18日~10月29日
仕事
生活共働体で、有機農業や生活補佐
宿泊
学舎のわらぶきの建物(生きた文化財!)。交代で自炊。実は携帯電話も一部で届き、TVや電気もある。寝袋必要。
SDGs該当項目
  
すべての人の包括・持続可能な生活・生物多様性

 
ワークキャンプの背景

共働学舎・真木農場と共催、18年連続36回目。共働学舎は1974年設立。競争社会から協力社会への転換を目指し、農業を学びたい人、知的障がい者、引きこもり等、様々な人々・約120名が北海道・長野・東京の共働体で、有機農業や畜産に取り組む。  かつては100名程が住んだ標高900mの真木集落は、町への交通手段が急な山道の徒歩(4km)しかなく、1970年代に廃村になった。その後共働学舎の人達が住み込み、6~8名が有機農業や屋根の萱葺きに取り組む。不便であることを逆手に取り、夏の保育・看護専攻生の教育実習、NICEから中長期ボランティアや農水省「田舎で働き隊」も受け入れてきた。ワークキャンプは作業を手伝い、生活を共有して新鮮な「外からの風」としての役割を発揮。

活動内容とスケジュール

ワーク内容
共働学舎の日々の仕事(足場運び、足場組み、茅刈り、小豆の莢剥き、小豆の選別、大豆の収穫、ヤギ・鶏の世話、荷上げなど)
*朝仕事:ヤギ・鶏の世話、朝食作り、野菜の収穫、茅かりなどを毎回分担

 

様々な形で参加した共働学舎の方々
*伊井野雄二さん(赤目の里山を育てる会事務局長、エコリゾート赤目の森理事長)
*大熊さん、松井さん(安全講習、ワーク指導・監督)
*杉浦さん(杉浦農園経営者、奈良での援農受け入れ)
 そのほかデイサービス利用者・ヘルパーの方々

  早朝 午前 午後
10/18 朝仕事   集合・オリエンテーション ミーティング
10/19 朝仕事 茶葉の枝切り、葉の選別、小豆の莢剥き、豆の選別 豆の選別、茶葉切り、足場運び、足場組み、茅すき、鴨小屋の片付け、資材運び、動物の世話 ミーティング
10/20 朝仕事 茅かり、藁切り 玉ねぎの定植、マルチ剥がし、デントコーンの収穫、木の皮むき、栗の皮むき、薪運び、動物の世話 ミーティング
10/21 朝仕事 茅かり 交流会、動物の世話 ミーティング
10/22 朝仕事 フリー フリー (映画会、お菓子作り) ミーティング
10/23 朝仕事 漬物作り、豆の選別、薪運び、茶葉切り、選別 茶葉切り、選別、豆の選別、饅頭作り、薪割り、茅立て、道直し、動物の世話 ミーティング
10/24 朝仕事 桑の葉摘み、下山 立屋共働学舎にて醤油作り体験、荷上げ ミーティング
10/25 朝仕事 豆の選別 交流会、動物の世話、豆の選別 ミーティング
10/26 朝仕事 下山、茅かり 茅かり、荷上げ ミーティング
10/27 朝仕事 重屋の掃除、畑仕事 畑仕事 ミーティング
10/28 朝仕事 茅かり、掃除狩り 茅立て、薪運び、お別れ会準備 ミーティング
10/29 朝仕事 重屋の掃除、お別れの挨拶 解散  

本ワークキャンプの目的と成果

山奥での手作業の農林業を世界の若者のボランティアパワーで応援する


12日間で63時間45分(休憩時間・食事の時間を除く)
茅かり・小豆の莢剥き・小豆の選別・大豆の収穫・玉ねぎの定植・足場運び・足場組み・栗の皮むき・ヤギ、鶏の世話・茶葉の選別・茶葉切りなど、多様な仕事を共働学舎の方々と一緒に行った。

共働学舎の方々と日本・世界の若者の友情・相互理解・連帯感を育み、地球規模の向上へと発展させる

共働学舎のメンバーの個性やユーモアを理解し、楽しそうに談笑していた。
お互いに気遣い合う姿も見られ、言語の壁を超えて相互理解を深めていた。

今回の課題

仕事量が多く、最初の数日間は単なる労働者のような気分だったという声もあった(後半は改善)。

今後の構想

オリエンテーションでおもてなしの雰囲気作りや、地域の想いを共有することで、安心感を与える。また夕食後などの自由時間で社交場を設け、仕事や食事以外でも共催側と過ごす時間を作るなど、交流会で行うような出し物形式だけではなく、さらにカジュアルで密なコミュニケーションを増やしていく。

最新のプログラムは以下をチェック!

国内ワークキャンプ一覧

参加者からの声

本キャンプの良い思い出
😊新たな自分を発見できた
😊共働学舎というコミュニティの中で、メンバーと同様の生活を体験できた
😊Local SDGsを一緒に考え、真木の将来像を再確認!

本キャンプの悪い思い出
〇映画をもっと早い段階で観ることができたら良かった
〇夜はとても寒かった
〇英語は怖がらずもっと話せばよかった
 

キャンプリーダーより

この真木でのキャンプ生活は、参加者にとってまたとない経験になることは間違いないのではないかと思う。
日常とはまた異なる空間で、さまざまなバックグラウンドをもつ人々との共同生活を通す中、どの経験も新鮮で視野が広がり、その人の今までの価値観が変わることにつながることだろう。
ここでの生活においては、真木に必要とされる労力としての役割を果たすこともそうだが、共に時間を過ごした仲間として広い意味での連帯感を深めていくことにも大変意義があるのではないだろうか。
それぞれ個性が豊かでバックグラウンドも違う皆が協力し合って共に時間を過ごしている。
自給自足の生活で、自然とも共存しながら生きている。

そんな中で、真木で暮らす人々を互いに尊重しながら、ここでの生活の良さを知り、思い切り楽しむ。
そうして強い絆を築いていくことができるならば、真木にとっても、参加者にとっても忘れられない経験になることだろう。
皆がありのままで過ごせる場所というのはとても素晴らしいと思うし、今の社会の在り方に問いかけをし直すという意味でも、真木という場所はこれからも必要とされ続ける場所であると思う。
なので、これからもそんな真木を応援していきたいと思っている。

また、私たちのようなキャンパーたちが新しい風となり、真木のこれからを応援していくようになり、そんな人々を増やして行くことができればなと思っている。生活の中で「人間の本来の生き方を問い直す」。そんな経験ができる真木が、これからも真木であり続けるためにも、常に新しい風を届けていけるとよいのではないだろうかと思っている。