根本健二さんの履歴書。

2012/08/16

特別支援学校の教員として、日々奮闘。
根本健二さんの履歴書。

名前
根本健二さん
性別
男性
年代
30才(インタービュー当時)
属性
教員
参加国
ベ ルギー、ギリシャ、北海道

満足度90%の数字に込めた思いは?

ベ ルギー、ギリシャ、北海道のすべての国際ワークキャンプで、参加者や地域の人々に恵まれ、ワークもアクティビティも充実した日々だった。また、食事に関し てもベルギーとギリシャでは伝統的な料理がすごくおいしく、北海道では、搾りたての牛乳をはじめ新鮮な野菜やチーズを使って作った料理は、とてもおいし かった!!!ギリシャでは、運よく国際ワークキャンプを開催していたイタキ島にもアテネオリンピックの聖火リレーが来て、イベントが開催された。シエスタ というお昼をのんびり過ごす文化も体験できた。

しかし、ベルギーの国際ワークキャンプに参加する前のブリュッセル観光でギリシャ人と名 乗 る男性から巧妙に睡眠薬入りのビスケットを食べさせられ、パスポートや現金や航空券などのすべての貴重品を盗られた。そのショックから国際ワークキャンプ のメンバーと積極的にコミュニケーションを取ることができなかったのが残念。ただ、ギリシャのイメージを悪いままにしたくなかったので翌年にギリシャの キャンプに参加した。ギリシャの素晴らしさに触れて見事に払しょくされた!

活動のやりがい度90%の数字に込めた思いは?

や るべきワークはベルギーもギリシャも北海道もやり遂げることができたけれど、「もっとできた」という気持ちが残ったのも確か。北海道では初開催の国際ワー クキャンプだったので、受入れ団体も参加者も手探りの状態。どこまでやればいいのか、目標が明確ではなかったので100%にならず。

経歴について教えてください。

19歳 将来、どんな仕事に就いても対応できるという思いから、経営学部に入学。大学1年の終わりごろ、将来について具体的に考え始めて「スポーツ関係の仕事につきたい」と考え、そのひとつに「教育」。

22歳 国際ワークキャンプだけでは物足りなくて、帰国後に何かしたいと思い、NICEの秋合宿に参加。その時に、週末ワークキャンプや総合学習チームの存在を知り関わることに。活動を通じて、新たな仲間にたくさん出会えた。

24歳 東京都と私学協会の教員採用試験を受け、私学協会から海外勤務の案内が届いた。仕事内容は、中国在住の日本人に対して、日本帰国のための受験指導および学校の補習指導。生活するぐらいの語学力を学び、上海と北京で中国文化を体感した3年間。

30歳 現在、特別支援学級の1年生担任。それぞれの障害や実態を踏まえて、「子どもたちのために」どのように指導したらよいか試行錯誤しながら指導中!

座右の銘について

積み重ねが大切だという人は多いけれど、「とんでもないところに」という表現がとても好き。きれいな言葉を並べるのではなくイチローの人間性があらわされている。

参加までの旅行経験・ボランティア経験について
今 まで渡航した国の中から一番は決められない。「住みたい国は?」等のテーマがあれば答えることができる。「住みたい国」はギリシャ。シエスタも含め、のん びりした雰囲気が好き。「ご飯がおいしい国」は、やっぱりイタリア。ピザやパスタはおいしすぎる。さすが本場の味!「もう一度行きたい世界遺産」はペルー のマチュピチュ。あの景色は素晴らしすぎる!!

衝撃を受けた国は4つある。一つ目は初海外という意味でイギリス。すべてが英語表示で雰 囲 気が異質であり、初めて体験することばかり。次はポーランド。アウシュビッツ強制収容所へ行って、戦争と平和について考えさせられたのが生きていく中でと てつもなく大きい。次は、南アフリカ共和国。アパルトヘイトの名残をすごく感じた。廃止されて10年以上経過しているのに、未だに首都の中心部は白人が多 く住み、黒人は、中心部から20km以上離れたところに住んでいたのが衝撃だった。最後は、2010年に行ったイスラエル。ライフルを持った兵士を見た り、空港では、セキュリティが世界で最も厳しかったりとテレビで報道される様子そのままの現実で驚いた。またキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の3つの聖 地であるエルサレムは、言葉ではうまく表現できない場所だった。

ワークキャンプとその後の人生について

NICE を通じて出会った仲間が次々と海外へ旅立っていくのに刺激を受け、自分も海外で働きたいと考えるようになった。そして、その夢は達成することができて現 在、公立学校の教諭として働いている。海外での生活は、夢のような日々だったので、またいつか「海外で働きたい」という気持ちがある。数年後に、日本人学 校の教諭と行くチャンスがあれば行きたい!!

成長ダイアグラムについて

1)4  「参加経験が役立っている事」は、料理の腕は上がったことかな。北海道のワークキャンプに参加した時にはベルギーのサーモンミルクスープやギリシャの国 際ワークキャンプではグリークサラダの作り方を教えてもらった。ホームパーティーでその時のレシピが役立っている。

語学力、というかコミュニケーション力は確実についた。TOEICのスコアが上がったとか、言われた英語が完璧に分かったとかではなく、相手の言いたい事を推測して理解できるようになった。この力はコミュニケーションをとるうえですごく大切だと思う。

2)  4 国際ワークキャンプだけではなく、今まで海外を50カ国以上訪れたことで、「柔軟性と寛容さ」を身につけることができた。「相手はこうなんだ」と いった決めつけをしなくなったかな。まずは相手を受け止め、多面的・多角的に観察をし、いろんな考えを導き出すようになった。この力は、今教師としての生 徒理解に役立っている。生徒の反応によって授業の内容が自分のイメージしていたものと変わっても、その変化を受け止め、内容を柔軟にかえることができるよ うになった。

3) 4 ベルギーの国際ワークキャンプが、初めての海外1人旅。睡眠薬強盗に遭ったことで、精神的に強くなったと思う。 こ の時の経験から危険を察知能力が高まった。全てを盗られてトラウマになるよりも、もっと世界を自分の目で見て肌で感じたいという想いのほうが強かった。だ から、スリの犯人の故郷と思われるギリシャやアフリカ、南米も行けたんだと思う。「熱いメッセージ」のところでも書いたけど、この「なんとかなるという精 神」ってどんな場面でもすごく大切。この精神があるから、挑戦しようという気持ちになれる。

4) 5 「海外で働きたい」と考えるようになり、実際に中国の上海と北京で働くことになったから。今でも海外で働くという気持ちは消えていない。数年後に日本人学校に挑戦しようと思っている。

5) 4 異文化理解は深まった。国際ワークキャンプでは世界中から仲間が集まってくるから、彼らとの話を通じて、彼らの故郷を訪れたいと考えるようになった。だから50カ国も旅するきっかけになったのだと思う。

6)  3 うーーん、結婚相手とか仕事に大きく関わるような人とは出会ってないかな。ただ北海道の国際ワークキャンプでお世話になった地元の方に北海道へ行く 時には泊めてもらっているけど…。池田さん(注:北海道の国際ワークキャンプ受け入れ団体の方)に会ったりもしている。

2011年08月12日(金)

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