水口(旧姓:高見)実穂さんの履歴書。

2012/08/20

福井の人達が、元気になるアクションをこれからどんどん仕掛けていきたい

名前
水口(旧姓:高見)実穂
性別
女性
年代
24才(インタービュー当時)
属性
地域おこし協力隊
参加国
マレーシア、富田林、勝山

-満足度1000%!!(ありがとうございます(笑))に込めた思いは?

あたし的には、21歳の夏にNICEのワークキャンプに参加して、自分のできること・できないことが明確になったのが大きかった。海外ボランティアっていうジャンルに出会って、人生の転機になったんです。もうインパクトが強かったですよ。

最初は参加者で、2回目からリーダーとして関わらせてもらった中で、素敵な出会いや大きな気づきがあったんです!やりがいとは別に、満足度は1000%!トラブルも特になく、というかあたしがトラブルと思ってなかっただけかもしれないですけど(笑)。

やりがい度が、90%なのは?

全てのワークキャンプで、ワークのやりがいは確実にあったんだけど、自分が100&関われなかったんです。学校もいかなあかんし、バイトや他にもやらないけないことがあって、時間が足りなかった。自分を100%活かしきれなかったから、10%マイナスさせてもらいました。

-成長ダイアグラムについて教えて下さい。

1)実務的な知識・スキル 4
全く知らなかったこと、例えば草刈りや木の切り方とかは、ワークキャンプを通じて0(ゼロ)から1とか2にはなった。やり方は知っているって程度。あたし的には、「あいつやばい!」ってレベルにしたいから、まだまだっていう意味で4をつけました。

2)人や社会とやっていく力 4.5
NICEに参加するまでは、同年代の人としか話した事がなかったけれど、ワークキャンプや活動を通じて出会った人は多種多様。国籍も年代も考えも違う人と出会ったことで、コミュニケーションの幅が広がったと思う。本当に、NICEを通じて出会う人は濃いんです!学生とは全然違う人が多いので、すごく勉強になりました。

3)自分でやっていく力 5
201208201353_2-300x0.jpg現場力はだいぶついたと思います。当たり前だけど、マレーシアでは日本の考え方と全く違って、思っていたことがうまくいかないことが多かった。日本に帰ってきてから、大学NICEとかWEST(関西運営委員会)にも関わっていたので、何かを企画して、それを運営する力はついたと思います。特に、私はNICE以外で関西圏の大学生を集めてイベントを企画することもしていたので、そこでNICEの経験が活かせました。

4)進路・目標 5
元々国際協力に興味があったんだけど、実際に行ったことがなかったんです。行ったことにないのに、海外に関わる仕事を探すのは微妙かなって。海外ボランティアか留学をしようと思っていた時に、友達にNICEをやっている子がいて紹介されたんですよ。それで就活が始まる前に、マレーシアの国際ワークキャンプに参加しました。

マレーシアは衝撃的な経験でした。「お金だけじゃない」っていう人は多いけれど、実際にその言葉通りの価値観で生きている人ってなかなかいないですよね。でもマレーシアのDaganで生きている人は、本当にお金では測れない、幸せな生き方をしていた。今まで自分がこうかもしれないと思っていたことが、180度覆されたんです。働いてお金をもらうっていうのが、今までは会社に入るってことだと思っていたけれど、NICEで色んな人と話をする中で、会社に入らなくても生きていけるんだ!って気づいたんです。だから、就職活動をやめたりしました。影響大ですね(笑)。

5)社会への考えや価値観 4
さっきも話したけれど、マレーシアでの経験は、私の価値観を180度変えました。働くこと=会社に勤めることじゃないんだって。働くイメージが変わった。それに今までは大人ってつまらないなって思っていたんですけど、色んな大人の方と話を交わす中で、大人になるってすごいおもしろいじゃん!って思えるようになりました。

6)その後の人生に生きた人脈 5
NICEで出会って、出会った人たちに「こういうことがしたいんだ」って言ったら、さらに人を繋いでくれたりするから、確実に人脈は広がっていると思います。

あたしの場合、ごうさん(水口さんの旦那さん、NICE元会員)と付き合ってから、ごうさん世代の人とぐわーーーって繋がって、爆発的に人脈が広がった。ごうさん世代は、あたしより3世代くらい上だと思うんだけど、繋がりが特に強い気がしています。だからか、1人とつながると、どんどん次に繋がっていったんですよね。

-先ほど、「進路・目標」のところで、就職活動をやめたとありましたが、大学卒業後の水口さんの人生について教えて下さい。

大学3回生の12月に、合同説明会へ行って、話を聞くだけの時間が「なんてつまらないんだ」って思ったんです。それで、就活サイトに登録して、興味の持てる会社、3社のみ受けました。音響機器関係の会社とJICAと。。。でも、書類選考で落ちたんです。会ったこともないのに、書類で落とすってどういうことなんだ、意味がわからない!って思って、3回生の2月で就職活動をやめました。

先輩を見ていると、とりあえず入った会社を1年もたたずに辞めちゃうんですよ。一生懸命就活して入った会社から、1年2年で転職する先輩をちらほら見かけて、それで入りたいと思える会社がないのに、自分の時間とお金をかけて、就職活動をするってことがなんだかすごくもったいない気がして。それで、学生最後の時間、思いっきり好きなことに使うことにしました。その時に、富田林のリーダーの話もあったので挑戦してみたり、関西の大学生を集めてイベントを企画したり。充実した時間を過ごしていました。4回生の秋に、青年海外協力隊を受けました。結果を待っている時に、福井の田中としくん(NICE会員)と関西で知り合いになって、福井で週末ワークキャンプをやるからおいでーって誘われたんです。それで参加した時に、現地コーディネーターに緑のふるさと協力隊OBがいて、「みほちゃんこういうの絶対好きだから、緑のふるさと協力隊受けるべきだよ」って言われたんです。この時点では青年海外協力隊が受かるかわからなかったから、保険な気持ちで受けたんですね。そしたら、青年海外協力隊も緑のふるさと協力隊も両方受かり、ありがたいことにどっちを選ぼうかなってなったんです。

それまではずっと海外志向だったんですけど、ある人に日本のこと知らへんのに、海外のことしてどうするの(→日本にもいっぱい大変なことあるのに、それを知らないで、海外行ってどうするの)って言われたんです。マレーシアにいるときに、日本のこと、日本にもある問題のことを知らなすぎるって感じていて、その言葉にはっとしたんです。あと、伝統文化っていうんですか。昔ながらの生活の知恵って本当にすごいんです。お米作ったり、餅搗きやったり。そういう田舎暮らしに感動して、富田林でちょこちょこ教えてもらっていたことを、もっと深く学びたいって想いが出てきて、緑のふるさと協力隊に参加することにしました。

活動先は福井で、大学卒業後の1年間の隊員活動は3月に終わり、すっかり気に入ってしまった福井での定住の第一歩となる結婚!が、ありがたいことに5月に決まっていたので、仕事も探すことなくきたんですが、結婚式も無事に終わり、仕事したいなーって思っていた時に、かいさん(NICE代表、開澤真一郎)から「みほ、田舎で働き隊にならない?」って言われて。二つ返事でやります!と言って、福井の勝山で働き隊員として働くことが決まりました。来年の3月までの予定です。来年の1-3月までは連絡がとれない人になりそうです(笑)。雪がすごくて、毎日雪に埋もれて、雪かきして過ごしていると思います!

-結婚をされて福井に移住し、地域を活性化される仕事に今は就いていますが、今後の展望はありますか?

現状ではまだわからないんだけど、日本にいるならば、大学生の頃からやりたいこと、スペース(居場所)作りに取り組みたいと思っています。大学にいてて思ったことは、なんとなく学校へ行って、バイトをして、なんとなく社会人になる人が多い気がするんです。もやもや生きているっていうか。そういう人が、自分が作ったスペースに来て話をしてもいいし、何かチャレンジしたいことがあるなら、例えば個展を開くとか演奏をするとか、そういうのを披露できる場所を提供したいなって思っています。テーマとしては、「日本の若い人を中心に元気にする」ことと「ヒト×モノ×情報=感動」を創りだすことです。色んな人が集う場で、自分の悩みだったり夢だったり、とにかく語り合ったりすることできっかけを作りたいんです。そんな場所を福井に作ってみたいかな。福井に残ったのは、福井に惚れたからです!福井に惚れなかったから、ごうさん(今の旦那さん)とも結婚しなかったと思うし(笑)。福井には、海も山も丘もおいしい食べ物もある。人も優しい。そんな福井の人達が、元気になるアクションをこれからどんどん仕掛けていきたいですね。

NICEを通じて、自分の可能性に気づいたんです。人生って楽しい!って心から思えた。だから、今、もやもや生きている人が人生って楽しいんだと思ってもらえるようにしていきたいですね。参加型ではなくて、感動型のイベントもしかけていきたいな。

-それでは、最後にメッセージをお願いします。

NICEは、自分の可能性に挑戦できる場所だと思います。もちろんできることできないことって人それぞれあると思うんですが、チャレンジしないとそれもわからないですよね?やってみて初めて自分の可能性が見えてくると思うんです。

例えば自分は子どもが好きだから、アジアのワークキャンプを選んだとします。そのワークキャンプでは、英語と日本語を子どもたちに教えることになっていて、実際に現地で活動してみて、自分のできること・できないことが見えてきますよね。思った以上に子どもが好きじゃないかもしれないし、「教える」って行為に特に興味はなかったけれど、すごく自分には性に合っていると感じたり。そうやって、今まで経験したことがないフィールドで、チャレンジ・挑戦できる場所が、NICEだし、ワークキャンプだと思うんですよね。

それに、色んな人と出会える場所でもあると思うんです。「人生を変える出会い」を早いうちに経験すると、その後の人生が豊かになっていくんじゃないかな。

あとね、私が経験したマレーシアのワークキャンプは、もう、ぶっとんでいたんですよ。今までの概念が180度変わった感じ。途上国って、貧しいから、衛生的でないから幸せじゃないって思って行ったんですけど、そうじゃない。大切な人たちとの時間を豊かな自然のなかで笑顔いっぱいに生きている人がそこにいる。びっくりしました。日本の価値観とかけ離れていたんです。そういう自分の価値観とは全く違う世界で生きているところへ行って自分の中に新しい価値観をどんどん受け入れてほしいとも思います。

2011年12月6日(火) Skypeインタビュー

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