郭淑実さんの履歴書。

2012/08/21

※履歴書はこちらからPDFで見ることができます。


―NICEを知ったのは広告とありましたが、どこのですか?
国際協力系の雑誌だったと思います。名前は忘れてしまいましたが。海外でちょっと変わった滞在をしたいと思っていた時だったので、おもしろそうと感じて参加を決めました。

―満足度と活動のやりがいどに、「それぞれいろいろ」と書いていただきましたが詳しく教えてください。
まずドイツの国際ワークキャンプに参加しました。このワークキャンプはとてもおだやかで、特に問題もなかったので、初めての経験としてはよかったです。草刈等に取り組んだだけだったので、ボランティアをしたぞ!とはなりませんでした。

帰国後、NICEの集まりに参加しました。合宿だったと思います。そこで出会った人たちと意気投合して、個人的に遊ぶようになったんです。週末ワークキャンプにもみんなで参加しました。当時も愛知に住んでいたんですが、鈍行列車を使って関西へ通いました。その時に参加していた週末ワークキャンプの一つが、大東だったんです。それで、おっきー(大北充さん、協力会員)と二人で夏に開催される国際ワークキャンプのリーダーを務めることになりました。元々暑いのが苦手なので、昼間は休ませてもらって、夜に復活!という生活になっていたので、おっきーには怒られましたけど(笑)、メンバーも仲が良く、ボランティアワークにもしっかり取り組めたので、大東のワークキャンプはとても楽しかったです。

22歳はワークキャンプイヤーでしたね。大東、モンゴル、イタリア、モロッコ、そして冬には名張、湯の山と参加しました。履歴書にも書きましたが、イタリアは大東・モンゴルに参加した後だったこともあって、疲れがたまっていたんですね。そこに、私は関係なかったけど、ワークキャンプ内での参加者同士の恋愛のごちゃごちゃなどが混ざって、やることもあまりなかったのでリタイアしました。モロッコは、現地にいってみたらワークキャンプの開催がなくなっていて、現地の団体が急きょフランス語でアラビア語を学ぶというプログラムを準備してくれました。でも、実際フランス語もできないし、結局ホームステイを経験しただけになりました。でも、これが実はとてもよい経験になりました。元々モロッコは個人旅行で訪れたことがあったのですが、次はホームステイをしたいなと思っていたんです。だから実際モロッコでホームステイができたときは嬉しかったですね。受け入れていただいた家族は裕福ではなかったですけど、とても気持ちが通う方々でした。名張と湯の山はリーダーを務めたのですが、地元の共催団体と意志疎通がとれてなかったので、とても大変なワークキャンプでした。だからいい思い出がない・・・と書かせていただきました。

10年経った今振り返ると、どのワークキャンプもかねがね満足しています。当時は若かったので不満が多かったんでしょうね(笑)。

―そんな大変なワークキャンプも含め、様々な活動に参加してついたチカラについて教えてください(成長ダイアグラム)。変化があったのが、3)自分でやっていける力、5)社会への考えや価値観、6)その後の人生に活きた人脈ですね。

1)実務的な知識・スキル:事務力をつけたいと意識して参加していれば、もっと身についたと思いますが、そういう概念が全くなかったので3ですね。

2)人・社会とやっていく力:力がついたというより、当時の自分に力がなさ過ぎて反省しています。受け入れ団体や地元の方々は、色々よくしてくださいましたが、お礼もせず、自分のわがままを通してしまいました。今もし機会があれば、謝りたいくらいです。

3)自分でやっていける力:自分だけで色んな所へ行くことができたということは、自信につながりましたね。

5)社会への考えや価値観:色々な人の価値観に触れることで、考え方が柔軟になりましたし、広い視野を培うことができました。

6)その後の人生に活きた人脈:友達がたくさんできました。ワークキャンプのメンバーももちろんですが、NICEの集まりで出会った人達とのつながりは強いですね。なかなか会えなくなりましたけど、お互いに家族が増えて、パートナーもみんないい人で結婚したり子どもが生まれればお祝いに駆けつけたり、そんなつながりが今でもあります。

4)進路・目標:ワークキャンプに限らず、就職活動をしていた時期、自分を見失っていました。色んなことをやってみたけれど、結局その経験がどう次に活きるのか、どう繋がるのかが全然見えなかったんです。混乱して終わってしまいました。

―もう少し詳しく教えてください。
もともとは「人のためになる仕事をしたい」と思っていました。国際協力を通じて、現地を支援していくような仕事をイメージしていました。ワークキャンプを通じて、実際に現地で活動をしてみて、自分の力のなさを感じました。それと、国際協力やボランティア活動に疑問を持ったんです。本当に現地にとって必要なことを外から来たボランティアが取り組めているんだろうか。貧しかったり、何かしら課題を持っている地域でボランティアとしてか仕事としてかはわからないけど取り組みたいんだったら、お金を持つことはいけないんじゃないか。うまく話せないんですが、例えば貧しい地域の支援をしているのに、自分はブランドバックを持ったりいい生活をしていたとするじゃないですか。それっていけないよなって思ったんです。国際協力に携わるなら、そういう物欲っていうのかな、を捨てないといけないと感じたんです。経済活動に罪悪感を持ったというか。今ではそんな風に思いませんがでも当時はそんな気持ちを捨てきれませんでした。まあ、要は、私にとってはボランティアで参加するぐらいがちょうどよくて、仕事としてするのは向いてなかったっていうことだと今では思っていますが、当時はやっかいなことにその反面、企業の一員として経済活動をすることにも抵抗を感じて・・・。そんな状態で就職活動にも取り組んだんですが、うまくいきませんでした。

その後、デンマークにあるインターナショナルカレッジで、紛争や国際協力について学ぶこともしたのですが、結局腑に落ちなくて、その道に進むことはきっぱりやめました。

その後、語学留学をしながら、日本語教師の仕事をするようになりました。

それで韓国へ行き、日本語教師の仕事をしていた時に、今の旦那さんと出会うことができて、旦那さんが日本に留学をすることになったので、その時に私も一緒に帰国したのですが、私ぐらいはちゃんと働いたほうがいいかなと思い、保険会社の事務職に就きました。この仕事に就きたいというより、一度日本の社会で正社員として働いてみたかったんですね。元々細かいことが苦手なので、保険会社の事務は自分には合っていませんでした。ちょうど旦那さんも就職が日本できまったし、結婚も決まって、晴れて辞めることができましたが(笑)。

今は結婚して育児をするゆっくりした時間の中で自分をみつめなおしながら、これから何かしようと計画中でゼロに戻った所なんです。だからまだNICEの活動が具体的には、自分の進路には活かされていません。でもいつか、きっとNICEの活動をしていた時にモヤモヤしていたことや漠然と描いていた自分のやりたいことが出来る日が来るかもしれないという気持ちではいますね。・

―今後の夢や展望は?
これだけ悩んだ国際協力の世界に、もうちょっと余裕ができたら、もう一度関わりたいですね。家族と一緒にワークキャンプに参加するのもいいかなって思っています。

後は子育てをしながら、自宅でできる仕事を増やしていきたいと思っています。主人とつきあうようになってから韓国語を勉強して、家庭では韓国語を使うようにしてるので韓国語がちょこっとできます。だから翻訳の仕事がいいかなって思っています。

―最後にメッセージをお願いします。
参加したら楽しいと思います。一度行ってみたら一生の思い出になると思うので、参加してみたらいいと思いますよ。体験談を読むととてもいいことが書いてあるけれど、あまり期待しすぎない方がいいと思います。なぜならワークキャンプは人と人との付き合いだから、体験談を書いた人と同じ経験をできるわけがないんです。だから期待しすぎずに、経験として参加をしてみたら、きっと楽しいと思いますよ。

2012年6月28日(木)12:30-@スカイプ