吉井ひさのさんの履歴書。

2012/08/20

自分の気持ちに素直に。
吉井ひさのさんの履歴書。

名前
吉井ひさのさん
性別
女性
年代
29才(インタービュー当時)
属性
NPO職員
参加国
日本、マレーシア、モンゴル、インドネシア、フィリピン

満足度80、やりがい度80%の数字に込めた思いは?

職員時代、たくさん参加する機会に恵まれました。それぞれのワークキャンプでほんと色んな事があり一概には言えないけど、全体的に振り返ると、職員としてもグルキャン(グループワークキャンプ)や関西在住者限定ワークキャンプのリーダーとしても、もうちょっと自分自身ができたことがあったんじゃないかなと思ったので、満足度は20%引かせてもらいました。なので、この80%はプログラムがという事ではなく、自分自身に対してという思いです。

活動のやりがい度に関しては、基本的にはやりがいはもちろんありましたがプロジェクトによっては「今、これをするの・・・」って思った事もありました。でも、いつかどこかで誰かの役に立つはず、自分自身の経験になっていると言い聞かせ^^;ワークのやりがい度も80%としました。私は職員としてワークキャンプに参加する事が多く、純粋にボランティアとして参加したのはモンゴルのみです。満足度もやりがいも一参加者として初めてワークキャンプに参加した時に感じる事とは少し違う感覚かもしれません。

成長ダイアグラムについて教えて下さい。

会員から職員時代を含めたもので、数字をつけました。 1)実務的な知識・スキルと6)その後の人生に生きた人脈 この2つに5をつけた、実務的な知識・スキルは、職員時代に鍛えられました。職員になる前の私は、ネットはフリーメールとgoogle検索ぐらいしか知りませんでした。Outlookやエクセルもほとんど使った事はありませんでしたが、関西事務局は1人体制で、ごまさんからの(前任の関西オフィススタッフ)引き継ぎ後は、自分でやるしかなく、周りにすぐ聞ける人もいなかったから、必要に迫られて覚えていきました。ワードやエクセル、パワーポイントはもちろん、HP更新やイラレ(イラストレーター)なんかも、とりあえず触って覚えていきました。大変だったけれど、スキルが身についた部分もあるから、ありがたいことです(笑)。

人脈については、今私がここ栃木にいるのも、NICEで出会った人によって導かれたからです。直接的にはたつやさん(現NICE副代表)ですが、職員時代に日本各地・世界で出会った共催団体や会員の方の生き方とか考え方に触れる中で、「地に足がついた生活をしたい」って想いがうまれ、栃木で農業のプログラムをコーディネイトするスタッフを探しているって聞き、これだったら私が今感じている事やNICE職員時代に得た経験を誰かに還元する事、今まで出会った人への感謝の気持ちにもなるかなと思って決めました。

色んな人に出会えた事は本当に幸運だったと改めて思います。働き始めた当初は、目の前のことに取り組むだけで精いっぱいでした。追われている感じで、ひとつひとつの出会いを消化できなかった事もあったけど、今までを振り返ってみると、それらの出会いが今の自分にすごく影響を与えてくれ、大切な瞬間だったと思います。そういう時間が持てたことに、今、本当に感謝しています。

NICEの職員になろうと思ったのは?

アメリカにいた頃、地元の小学校では自分が日本語クラスのお手伝いとして、コミュニティースペースでは地域の方に英語を教えてもらっていました。ボランティアをする側、受ける側の両方の経験を通して、「ボランティア」への考え方が、私がそれまで思っていたものと全く違っている事に気が付きました。その場にいる人たちは日々の暮らしの中で活動先での出会いを楽しみ、その出会いが人生を豊かにしている様に感じました。お金や物ではないところに価値を持っているのが、高校を卒業したての私にはすごく新鮮でした。

帰国し、これからどの様に生きていこうかと考えている時にひょんなきっかけで国際ワークキャンプを知り、参加。初めてのワークキャンプはモンゴルでしたが、そこでの2週間は自然と共に過ごした本当に楽しい時間でしたのに感じたのは、アメリカで感じた感覚にとても近いものがありました。この感覚を日本で暮らすたくさんの人に知ってもらえれば、日本のボランティアのイメージが変わるのではないかと思いスタッフに応募。縁があり、NICE職員として働く機会をいただきました。

今後は今のお仕事を続ける予定ですか?

実はこの3月で退職予定です。農業プログラム担当として、地域の方に様々な事を教えてもらい楽しい時間です。今はNICEにいた頃に出会った若者とはタイプが違い、今は少し元気のない人たちですが、地域の方との出会いによってたくさんの変化が起こっています。タイプは違えども人が素敵な大人たちに出会う事によって人は変わっていくのだと改めて実感しています。この3月で契約が終了し、ここでのお仕事は一区切りつけるつもりですが、ここでの経験させてもらった事も大切に次の新たな道を探したいと思っています。

最後に、メッセージをお願いします。

10年前、私が今こんな風に栃木で暮らしているなんて想像もしていませんでした。その時に感じた気持ちに素直に従い、行動した結果、縁に恵まれて現在に繋がったという感じです。新しく何かを始める時には自信もなかったし、もちろん迷う事もありました。でも、そこで行動を起さなければ成功も反省もないと思います。何か始めれば、自分が予想もしなかった事がたくさん起こると思います、良い事も、そうでない事も。でもその一つ一つの経験が自分を作っていく大切な気づきになると思うし、自分を確立していく事になると思います。ワークキャンプもその一つになるのではないかと思っています。人それぞれ迷ったり、悩むポイントはあると思いますが、そんな思いや考えを少し手放す勇気をもってワークキャンプに参加してくださればうれしいです。

2011年12月5日(月)14:00- Skypeにて。

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