小川恭子さんの履歴書。

2012/11/12

小川恭子さんの履歴書はこちらをご覧ください。

国際ワークキャンプ6か所、日本各地で開催されている週末ワークキャンプに多数参加された、小川恭子さんにお話を伺いしました。

NICEとの出会いは?
大学に入ってすぐ、同級生がNICEって面白そうな団体があるよと教えてくれたんです。新宿で開催される説明会に同級生に連れられて行くことになり、その場で初めてワークキャンプについて詳しく知りました。色々な国で世界中の人たちと共同生活をしながら、地域に必要なボランティア活動に取り組むのがワークキャンプと聞いて、そのコンセプトに共感しました。

もともと夏休みには海外旅行へ行きたいと考えていたのですが、ツアーなどの観光旅行には物足りなさを感じていました。学生時代の夏休みは長いので、せっかくならどこかに長期滞在して地元の人と交流しながら、自分が貢献できる活動に取り組みたいと考えていました。ちょうどよいタイミングでワークキャンプを知ることができたので、その夏、メキシコの国際ワークキャンプに参加を決めました。

その後国内の国際ワークキャンプに参加をしていますね。海外志向の強い小川さんが、国内での活動を選んだのはなぜですか?
メキシコの国際ワークキャンプに参加をしたら、事前にもらっていた活動内容と実際に行う活動が変わっていました(笑)。元々は農業のお手伝いをする予定が、トイレを作るワークに変更されていました(笑)。参加者は国際色豊かで、メンバーには恵まれましたが、
ワーク内容が事前案内と違うことに不満を持つグループと、ワークキャンプには主催団体が派遣するリーダーがいるのですが、そのリーダーをサポートするグループとに分かれてしまったんです。仕事もハードワークでしたし、不満が出ました。その時のリーダーの対応が、文句があるなら帰れ!という態度だったので、悲しい気持ちになりました。今振り返るとよい経験なんですが、その時リーダーってとても大切な役割だと感じたんです。自分がリーダーだったらどうするだろう、という視点を持って日本に帰国しました。ちょうど帰国した時に、リーダー募集の説明会が開催されて、そこでナイススタッフや他のナイスメンバーと知り合うことができました。週末ワークキャンプや国内の国際ワークキャンプの情報等も詳しく手に入れることができ、自分がリーダーをする前に一度国内の活動に参加してみようと思ったのがきっかけですね。それで2回目は、水俣の国際ワークキャンプに参加しました。

事前の案内と実際の活動内容が違っていたら、ワークキャンプに対してネガティブな気持ちになりそうですが…。
国際ワークキャンプのコンセプト自体はすごく気に入ったので、ネガティブにはならなかったんだと思います。

満足度90%、活動のやりがい度75%の数字に込めた思いは?
国際ワークキャンプは、2週間の限られた時間の中で、日本だけでなく色々な国の人たちと共同生活をします。もちろん喧嘩もしますし、大笑いするような楽しい時間も過ごします。一度に色々な国の人たちと出会い、一緒に暮らす経験ができたことがまず嬉しかったですね。また、自分一人では行けないような場所で、新しい発見ができたことも新鮮でした。充実したボランティアワークもありましたし、全部ひっくるめて、よい経験ができた、楽しかったなという思いが残っているので、満足度は100%に近い90%をつけました。

活動のやりがい度を低くしたのは、もう少し専門的な経験ができればよかったなと思ったからです。このワークに取り組むことで、例えば農業分野や教育分野などでこんな専門的知識・スキルが身につけられますよとなれば、もっともっとやりがいは出てきたと思います。また、国際ワークキャンプの主催団体によっても活動内容の充実度にばらつきがあったので、やりがい度に関しては75%をつけました。

ワークキャンプで得た力について教えてください(成長ダイアグラム)。
2)人・社会とやっていく力、3)自分でやっていける力、5)社会への考えや価値観、6)その後の人生に活きた人脈に5をつけました。

2)に関してですが、国際ワークキャンプには様々な人が関わっています。地元の共催団体の方、地元に住んでいる方、そして国内外から集まるボランティア。文化も背景も違う人が集まって、いきなり数週間の共同生活が始まりますので、色々なトラブルが起きます。ワークキャンプを通じて、こういう人々とどうすればうまくやっていけるのかを自然と考えられるようになりました。
3)についても、同様です。次から次へと起こるトラブルをどう乗り越えていくのかを自分で考え、行動に移していく中で自然と力がついたと思いますね。また、海外の国際ワークキャンプの場合、現地集合現地解散が基本です。開催地まで自分一人で行かなければいけませんし、やっとたどり着いた開催地の宿泊場所がおんぼろ小屋だったりします(笑)。寝袋をひいて、みんなで自炊をしてと、サバイバルな力が身につきました。
5)に関しては、ワークキャンプが自分の中で将来どういうことがやりたいかを考えるきっかけになったので5をつけました。
6)は、色々な国の人たちと友達になれ、今も繋がりがあるからですね。

1)実務的な知識・スキル、4)進路・目標は4をつけました。

1)は先ほど話したように、国際ワークキャンプの開催地によってはワーク内容の変更もありますし、専門性に少し物足りなさを感じたためです。
4)については、5)と矛盾するのでは?と思う方もいらっしゃると思いますが、国際ワークキャンプで具体的な力が身について、その力が直接自分の将来の進路に繋がったわけではなかったので4をつけました。

大学の学部は国際関係ですか?元々国際関係の仕事に就きたいと考えていたのですか?
大学の専攻は、国際政治でした。これといったきっかけがあったわけではないですが、小さい頃から海外への興味はずっと持っていたので、自然な流れで国際的な仕事に就きたいと思うようになりました。

外務省を選んだのは?
国際的な仕事と言えば、国際機関、国際NGO、外資系企業等いろいろ頭に浮かぶかもしれませんが、私はどちらかといえば日本人として日本の良さを海外へ発信する仕事がしたいと思っていました。日本を軸足に、海外と繋がる仕事をしたいと考えたので、外務省を選びました。大学を卒業後すぐ外務省に入り、2年間は東京で働きました。その後中国4年、アメリカ1年の海外赴任を経て、現在再び日本で働いています。

具体的なお仕事の内容は?
日本が外国と結ぶ条約の交渉や作成をしています。会社で言えば法務部でしょうか。新しい条約を結ぶとなった時に、国内法との調整や日本が結んでいる他の条約との兼ね合い等をチェックします。とても専門的で頭を使うことが多い仕事ですが、やりがいを感じていますね。

最後にメッセージをお願いします。
学生の皆さんに言いたいのは、学生時代はすごく時間があるので、自分がやりたいなと思ったことには全力で取り組んでほしいということです。社会人になると自由な時間を作ることは難しくなります。時間の融通がきくときに、ワークキャンプや旅行をはじめ、社会人ではできない時間の過ごし方をして、視野を広げてほしいと思います。
関心があることには、迷わずトライしてください。迷っていると時間だけが経ってしまいます。ワークキャンプに限らず、興味・関心があることには、すぐ実行!やってみることがとても大切ですよ。

小川恭子さん
2012年9月30日(日)15時~@新宿