中村(旧姓:海老澤)千冬さんの履歴書

2012/11/19

中村(旧姓:海老澤)千冬さんの履歴書はこちらをご覧ください。

2つ(イスラエル、イギリス)の国際ワークキャンプに参加をし、満足度95%、活動のやりがい度90%を付けていただきました。この数字に込めた思いは?
ほぼ100%なんですが、初めてイスラエルの国際ワークキャンプに参加をした時、自分の準備が足りないのもありましたが、もう少しコミュニケーションを積極的にとりたかったという気持ちが残りました。活動内容も、イギリスは考えていた通りのものでしたが、イスラエルではもう少し子どもと関わりたかったですね。ペンキを塗って壁はきれいになりましたが、いわゆる紛争の中で生きている子どもたちが何を感じているのかを知りたいという参加当初の目的に時間をかけることができませんでした。そのため、満足度95%、活動のやりがい度90%をつけました。

国際ワークキャンプは2~3週間の活動がほとんどで、その性質上、参加者は学生が8割を超えています。中村さんは社会人になってから参加をしていますね?
学生の時に知っていたら、参加していたかったですね。当時の私は、海外に携わることは留学しかないと思い込んでいました。もちろん友達の中には、1年間休学をして、ボランティア活動に参加をしている人もいましたが、それも留学並みのお金を払って体験させてもらうものでした。お金もなかったですし、茨城の奥にいて情報が手に入らなかったのか、自分がきちんと調べなかったのか、とにかくお金をかけてするものだと思い込んでいたんです。そのため大学内のボランティア活動に携わることにしました。

大学院を卒業してから特別支援学校の教員となりました。1年目は初任者研修などがあり、とても忙しかったですが、2年目になると研修も減り、余裕ができました。8月のお盆前後は子どもたちが登校してくることもなかったですし、夏休みの5日間に有給休暇をすべてつければ3週間ほど休めるなと考えたんです。同僚は海外旅行へ出かけていましたが、せっかく海外へ行くなら、何かボランティアで地域に関わることがしたいなと思ったんです。それでインターネットで調べて、NICEを見つけました。NICE以外の団体もたくさん見ましたが、時間的にも融通が利き、自分の興味関心にもマッチし、選択肢が広かったのがNICEだったので、NICEで参加を決めました。

国際ワークキャンプで得た力について教えてください(成長ダイアグラム)。
1)    実務的な知識・スキル 4
2度目に参加したイギリスの国際ワークキャンプは、障がい児施設で子どもたちと遊ぶ活動でした。ちょうど私が参加した時期は、障がい児施設も夏休みでしたので、学校がない子ども達がどう過ごしているのかをみることができました。子どもたちはボランティアと一緒に、地域センターで様々なワークショップや活動をして、ランチを食べて家に帰るんですね。地域センターで行う障がい児に対するワークショップや活動は、日本の特別支援学校で活かせるものばかりでした。特にフェルトで作品を作るワークショップは、子どもたちもお気に入りだったので、さっそく日本に帰国後、学校で実践してみました。またイギリスで人気の工事車両の子ども向け番組のビデオを買い、上映しました。そういった教材や授業内容で使えるノウハウを得ることができたので、4をつけました。

2)    人・社会とやっていける力 5
違う言葉を話す知らない人たちの中に、ぽーんと入って、どう自分をだしたらいいか、どうしたら有意義で他の人とうまくやっていけるかを考えるようになりました。言葉よりも積極的な姿勢が大切だということも学びました。

3)    自分でやっていける力 5
誰とでもやっていくことができるんだという自信がつきました。自信というか、大らか、適当になったといったほうがいいかもしれません(笑)。こうじゃなきゃいけないんだっていう思い込みがなくなりました。

4)    進路・目標 5
先ほども話しましたが、もともとイスラエルの国際ワークキャンプに参加をしようと思ったのが、紛争がすぐそこで起こっている地域で暮らす子ども達がどうしているのか、何を考えているのが知りたかったからです。実際に現地へ足を運び、子ども達と触れ合う中で、やっぱり紛争や戦争をなくしていきたいという気持ちになりました。今は子育てを理由に何もしていないですが、5年ほどしたら子ども達も手がかからなくなりますので、生涯を通じて紛争・戦争をなくすための活動、またそこに暮らす子ども達の支援をしていきたいと考えるようになりました。

また自分の教員という仕事についても、知識やスキルをさらに磨き、定年退職後に海外シニア協力隊として必要な地域で活躍できる人になりたいという夢ができました。25年後のことですので、まだまだ先の話なんですね(笑)。

5)社会への考えや価値観 5
教育が大切だと改めて感じる出来事がありました。イスラエルのガイドブックを持って、旧市街であるエルサレムを歩いていました。たまたま近くにいたアラブ人の小さな子が、ユダヤ人が写っているページを見て、いきなりガイドブックを私から取り上げ、びりびりと破りだしたんです。破ったものを踏みつけてもいました。私はキリスト教徒の人も、イスラム教徒の人も、ユダヤ教徒の人とも誰とでも変わらなく接しますが、宗教という枠だけで、相手に憎しみを抱いたり、悪者だと決めつけたりすることがとても悲しかったです。小さな子どもが、そういう激しい行動をとってしまうのは、やはり親や社会が教え込まないとならないと思うんです。教育を変えていかない限り、今の社会にある摩擦は取れないんだと改めて思いました。すぐに何ができるかはわかりませんが、人が繋がって草の根な活動をしていく必要性と教育の大切さを実感しました。

6)    その後の人生に生きた人脈 3
FACEBOOKでのやりとりはありますが、再会を果たすことができていないので3を付けました。

中村さんが教育に携わろうと思ったのは?
最初は先生には特になりたくなかったんです。心理学・教育学・障がい学の3つが専攻できる学部で、心理のカウンセラーを目指して入学しました。特別支援学校の免許が取得できるカリキュラムもあったので、免許が取れるならとっておこうという気持ちでした。福祉系のサークルで障がい児施設でボランティア活動もしていましたが、ピンとは来ていませんでした。ところが最後に行かせてもらった実習で、はまってしまったんです。自分の性に合っていると感じたんです。障がい児もいる幼稚園での実習だったので、子どもたちが単純にかわいいというのもありましたが、何より自分が時間をかけて作った教材に対して、ものすごい反応を返してくれるんです。いいな、このやり取りと思い、教員を目指すようになりました。

今後の夢や展望は??
教員を続けながら時間を作って、もう1回イスラエルのことを勉強したいですね。自分ができるボランティアやサポートできることに携わりたいですね。あとは親子でいけるワークキャンプに参加をしたいです。

最後にメッセージをお願いします。
やりたいと思った時が吉日です。考えてしまうと歳をとっちゃいますよ(笑)。英語も心配することはないと思います。やる気と積極性があれば大丈夫です。また安全面については、ちゃんと調べる必要はありますが、必要最低限のことを守っていれば大丈夫だと思います。興味があればぜひ参加してみてください。

中村(旧姓:海老澤)千冬さん
2012年10月30日(火)@松戸