桜井貴之さんの履歴書。

2012/08/20

オンリーワンの人生を歩む。
桜井貴之さんの履歴書。

名前
桜井貴之さん
性別
男性
年代
28才(インタービュー当時)
属性
JICA調整員・マレーシア
参加国
オーストリア、タイ、日本

満足度90%、活動やりがい度90%とありますが、この数字に込めた思いは?

国内でも海外でも色々な形で活動をし、自分でもびっくりするくらい数多くの人脈や社会とのつながり、そして思い出ができました。1人のボランティアとしてだけではなく、リーダーやチーム活動、さらには総会、理事会を通して、NPO団体の一員としてもNICEやその協力者と関わりを持ってきたことで、自分の現在、そして将来にもきっと通じるたくさんのものを得られたと実感しています。もちろん、よい思い出ばかりではなく、キャンパーとのコミュニケーションとか、運営面でうまくいかなかったこと、やりきれなかったことなど、たくさんあります。でも、だからこそ「やりがい」なのだと思います。これをトータルしたら90%くらいなのかな~という心境です。

NICEと出会ったのは説明会だったということ。どんな話に、ぴぴーーんとアンテナが反応したんですか?

もう8年以上も前のことで、話の内容はあんまり記憶にないんですよね(笑) でも、「海外の現場で住民とともに活動を行う」姿を思い描いていた自分の中の理想像と、NICEのアピールポイントがマッチしたことは間違いありません。説明会スタッフからの写真を交えた体験談から、「現場感」がいっそう伝わってきました。説明会後、希望者はファミレスに移動してさらに話を聞くというよくある流れだったのですが、たしか、まったく迷うことなくついて行ったと思います。しかも、3日後に近所で週末ワークキャンプがあるとのことを知り、これも迷わず参加したくらいだから、よほど惹かれたものがあったのでしょう(笑)

国際ワークキャンプや週末ワークキャンプ、そして各種イベントに積極的に関わっている桜井さん。 なぜそこまで積極的に関わろうと思えたのですか?活動の魅力は?

振り返ってみれば、なんでそんなにと自分でも言いたくなるのですが(笑) おそらく一言でいえば、好奇心と向上心かと。楽しくキラキラした部分も、泥臭い部分も、大変な部分もすべてひっくるめて魅力的に感じたワークキャンプ。参加するで終わってしまったらもったいない!こうした思いが、振り返ってみればすべての原点です。週末ワークキャンプは特に色々な開催地に参加しましたが、これも、色々な所に行ってみたいという思いと、色々なリーダーとつながり、彼らのやり方を学んで自分の開催地の参考にしたいという思いからでした。そして、「1」にも通じますが、困難もあるからこそ感じる「やりがい」が、長期的に関わってきた原動力なのだとも思います。

NICEを通じて得たチカラについてお伺いでします(成長ダイアグラム)。1,4,5,6に最高点をつけたのはなぜ?

1:英語力、リーダーとしての実務(参加者・共催とのやり取り、コーディネート、事務)、NICEの紹介・説明力などなど、たくさんのチカラにつながるチャンスを、活動を通じてつかみました。1つ1つのチカラとしては決して十分ではないけれど、トータルすればかなり身についたと思えます。

4・5・6:大学卒業後も海外や国際協力に関わっていきたいという思いへの後押しとなり、現在までの仕事でもNICEでの活動経験が活かされています。また、ワークキャンプがきっかけで卒業研究の題材につながったことも「進路」の一例といえます。

数えきれないほど多くの国内外の若者、魅力ある大人(受入団体の方々など)との人脈ができ、また、彼らから様々な生き方・価値観に触れ、視野や興味・関心が広がりました。こうした、 NICEを通じて得た価値観や人脈は、現在の自分自身に影響しているだけでなく、今後の夢や目標にも影響しています。

現在マレーシアで行っているお仕事について教えてください。

日本政府の事業の一環で、日本とマレーシアの複数の大学や研究機関が共同で研究を行うプロジェクトのコーディネーターを務めています。プロジェクトは、マレーシアで集中豪雨が原因で発生している洪水や地すべりの被害を減らすために、危険度を予測してデータベース化し、警報発令につなげるシステムの構築を目指すものです(防災分野)。私の役目は主に、プロジェクトを進めるうえで全体の進捗をとりまとめたり、活動を促したりする調整面と、予算や物品の管理、研究者の往来の手続きなどの実務面の2つです。

NICEでのどんな経験が、今のお仕事にいかされていますか?

「つなぎ役」としての役割。 様々な立場や利害関係の真ん中に立ち、行動や対話を促すことは時として容易ではなく、よりよいあり方を日々模索しています。かつてキャンプリーダーとして考え・工夫し、時に悩んで行動してきたことと重なり、リーダーとしてうまくいったこと、失敗して学んだことが、まさに再び試される思いです。

マレーシア赴任は2年と聞きましたが、今後の展望はありますか?夢や目標があれば教えてください。

国際ワークキャンプや旅などを通じて海外に飛び出し、そして今、海外に身を置いてプロジェクトを動かす役目を務めています。国際協力に関わりたいと最初に思い始めてからちょうど丸10年。あこがれていた世界の只中に自分がいるのかと思うと、こみあげる思いがあり、帰国後も海外と関わり続ける自分を思い描いています。他方で、週末ワークキャンプなどを通じて日本国内の地域社会と関わりを持つうちに、それまで当たり前だと思っていた都市型の生活を顧みるようになりました。また、耕作放棄地や後継者不足など第一次産業の課題、エネルギー問題、これらも含めた地域の持続可能性など、地域社会の課題に関心が広がりました。地域社会に身を置き、地域そして世界との関わり方を見いだしていく自分自身の姿も同時に思い描いています。でも、東京など都市を拠点に、海外や地域社会とつながっていくほうが、ベストなのかもしれませんね。自分はもちろん、周りの人たち、社会にとってベストなカタチは何なのか、悩ましいところです(笑)

最後に、熱いメッセージがあればお願いします。

私はいま、オンリーワンの人生を歩んでいる只中です。NICEやワークキャンプと出会わなくても、きっと別の形でオンリーワンの人生が待っていたことでしょう。何がベストっていうのはないと思います。ただ1ついえるのは、NICEやワークキャンプと出会ったことや、様々な偶然や必然の積み重ねによって、世界や人びととつながり、私にとっての今が、そして未来があるということです。

あなたには、どんなオンリーワンの人生が待っているでしょう?楽しみですね!

2011年10月24日(月)メールにて回答いただきました。

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