瀬口祐樹さんの履歴書。

2012/08/20

多様な価値観や考え方を受け入れ、理解しようとする姿勢を大切にして欲しい
瀬口祐樹さんの履歴書。

名前
瀬口祐樹さん
性別
男性
年代
28才(インタービュー当時)
属性
エンターテイメント会社勤務
参加国
八女

-この満足度とやりがい度の数字に込めた思いは?

八女の国際ワークキャンプの満足度、活動やりがい度ということで、100%と90%をつけました。最初のワークキャンプで、とにかく新鮮度が高かった。色々な出会いがあった。自分自身の人生観というのかな、至らないところ等を見つめ直す本当の最初のきっかけになったからです。最初のとっかかりがそこだったからかなぁと思った時に満足度は100%。

活動のやりがい度は、完全に俺の甘えですが、下草刈りの仕事が多かったこともあり、当時の自分はそれを単調に感じてしまったこともあり、10%差し引かせてもらいました。俺が悪いのだけど、態度やのぞむ姿勢としてどうなのというところがあって、リーダーに怒られ注意されて畳の部屋に呼び出されたことも。そういう自分の至らない点を気付かせてくれたという意味でも満足度は100%です。

-海外じゃなくて国内の国際ワークキャンプを選んだのは?

海外はお金がかかるので、敷居が高く感じてしまいました。国内だと手っ取り早いし同じ国内だから心理的な敷居やハードルが低く感じたこともあります。お金もなかったので。。そこが大きいかな。今考えるともったいなかった気もしています。

-八女の国際ワークキャンプを通じてついたチカラについて教えてください(成長ダイアグラム)。それぞれについてなぜこの数字を?

実務的な知識・スキル 実際に知識として、地方の農山村の生活を知ることができたのと、英語もそうだけど、自分の世界観が広がったかなというところでの知識・スキルで3にしました。

人と社会とやっていく力
人と社会とやっていく力が身についたというより、そういう力を養えるような素地が国際ワークキャンプにはあると思ったので5としました。自分自身がその力を身に付けられたかはわからないけれど、そこ(国際ワークキャンプ)では、人とはどのように対話をして、コミュニティの中ではどのように接点を持っていくか、と考えて動かなければいけない。社会や人とどのように接していくかが培われる場所であることは間違いないなと思ったので、5をつけました。

-まだこの力は発展途上ということですね。

自分はまだまだです。普段、仕事の中でも思うけど、コミュニケーションって本当に難しい。メラビアンの法則って知っていますか?人が相手に話をする時に、話の内容自体などの言語情報は全体の7%しか気にされていなくて、55%が笑顔なのかとか、目を見ているかとかの視覚情報。残りの38%が声のトーン、明るい声か暗い声かとかの聴覚情報。そういうところで人は相手に対しての話を聴いているんだって。どんなにいい話をしていても、笑顔じゃなかったり、話し方が暗かったりすると、伝わるものも伝わらない。そういう点でまだまだ至らないところが自分にはある。これから身に付けていきたい力です。

自分でやっていける力
それ自体がその時点で完璧じゃなく、ここで(国際ワークキャンプで)こういう風にコミュニケーションがうまくやっていけるようになれば、それは自分のためになっているだろうと。それはつまり、自立して動くことなんだなということが分かった。基本、ワークキャンプは個人1人で参加するもの。親などが一緒にいるわけじゃない。仲良い子と行けば別だが、全然知らない人達の中へ一人で入っていくことになるから、自分でどう動くかが問われる場所なのだと思います。

進路目標
当時は自分の夢はまだ確定していなかったけれど、色々語りました。今と違って漠然としすぎていたが、メンバーに話をすることで、自分は人の夢や想いを応援することが好きなんだなと。今の考え方につながる素地をこの時に持っていたんだなぁと思います。

社会への考え方や価値観
これは、当時はまだ大学3年生で、幼かったので、社会への考え方や価値観はピンときていなかった。想いが内側に向きがちだったので、外へ発信するというより、「俺がこう思うから」というタイプだったので、社会をどうこうするという発想は欠けていた気がします。

その後の人生に活きた人脈
これは、頻繁に連絡を取り合っているわけではないけれど、mixiやfacebookでつながっています。

-国際ワークキャンプに参加した時から、漠然とした夢があったとおっしゃっていましたが、どんな思いで就職活動をして、今の会社に入ったのでしょうか?

今現在の俺の夢は、自分の想いがきっかけとなって、想いのバトンを渡すことで、次の人達の心の中で何かが動き出すきっかけとなって、夢や想いを見つけて動き出して、さらに次の人達へバトンを渡していく。そんな連鎖反応を起こすために、色んな人たちの背中を押したいと思っています。

当時は、自分が作り出したもので心のドキドキやワクワクといった「明日を生きる原動力」を、より多くの子どもたちに伝えたいと考えていました。例えば、「ヒーローになりたい!」や「お姫様になりたい!」といった夢は、子どもなら誰もが描くようなものだと思います。一方、大人たちは、小説やドラマや映画とか観て、所詮作り話だよ、現実には起こらないよと感じていても、頭のどこかで夢を描いて、想いを描いて、ドキドキしたりワクワクしたりしていると思います。そういうドキドキやワクワクは、心を暖かくさせ、そしてそれは明日も頑張ろうという、エネルギーとなります。その明日を生きる原動力を、今までは自分が与えられてきたから、今度は自分が与えたい、伝えたいということでエンタメ業界一本で就職活動を行い、今の会社に入社しました。

会社の他にも、紆余曲折しながらも、バトンを渡したいという想いで、NICEの理事やコモンビートとか色々やってきました。人の想いを大切にしたくて、俺の存在ややることがその人たちの中でプラスになって科学反応が起きて、次につながればいいなって想いで動いています。心のドキドキやワクワクが伝わっていくといいなと感じています。

-多くの人は社会人になったら仕事だけとなるけれど、こうやってNICEの理事や他のNPOの活動にも積極的に関わっているのは、色んな人の背中を押してその人を幸せにしたいからなんですね。

全部つながっているからね。

-今後の展望や夢を教えてください。

NICEと関係ないところで話すと、理想はフリーランサーみたいなことをやりたいかな。選択肢として、産業カウンセラーや中小企業診断士とかの勉強も検討しています。まだまだ漠然としているから、今はまず課された仕事をしっかりとやらねばと思っています。夢と想いだけじゃお金は稼げないので。いかに現実社会の中で地に足を付けた状態で、社会から求められていること、会社から求められていること、目の前の相手から求められていることに応えて、社会に、会社に、そして目の前の相手に対して「価値」を提供するかが必要なんだよね。これは民間企業でも、NICEでも変わらないけれど、「誰に、どんな価値を、どうやって」が基本だと思います。「背中を押す」のは、目の前の人は喜ぶけど、それだけじゃお金は稼げないし、現実的に生活は出来ない。「背中を押すこと」を民間企業の中で実現していくのか、それともフリーランサーとしてやっていくのか、まだイメージしているような段階です。

-他に夢はありますか?

とりあえず息子が生まれたら、「蒼空」と書いて「そら」という名前をつけたいかな。予定はまったくの未定だけど(笑)。

-最後にメッセージをお願いします。

多様な価値観や考え方を受け入れ、理解しようとする姿勢を大切にして欲しいと思います。

時代背景や社会情勢の変化が大きい今の世の中、今後はより多様な価値観や考え方を受け入れる必要がある場面も増えてくるでしょう。たとえ、納得出来なくてもただ否定するのではなく、相手を理解しようと努める姿勢が大切だと感じています。

自分自身への戒めでもありますが、自分の視野を広げることが大切です。ようやく社会人7年目にして、アンテナがひっかかるようになってきました。自分の思い込みをなくして、興味関心を広げてきたからだと思います。そのおかげで、昔より謙虚になれた自分がいます。

-ありがとうございました。

2011年11月7日(月)12:00-@蔵前の居酒屋にて

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