武井しげさんの履歴書。

2012/08/20

人生を決めるのは、人との出会いであり、それが詰まっているのが、ワークキャンプですよ。
武井しげさんの履歴書。

名前
武井しげさん
性別
男性
年代
30才(インタービュー当時)
属性
治療家
参加国
浜松、清内路、塩尻、青木村

-満足度80%、活動のやりがい度80&の数字に込めたおもいは?

参加者側と受入側の、需要と共有がどんぴしゃでいっているところと、やりながらもずれているところがあったので20%ひかせてもらいました。ワークキャンプの受入側が求めている事をベースにワークがくまれると思うんだけど、実際に活動していて、これボランティアなの?これ本当に必要な活動なの?と感じる場面があったんだよね。もちろん、全てではないけどね。

-そもそも、NICEに出会ったきっかけは?

大学時代、光林荘に住んでいたんだよね。そこに石川よしお(NICE過去会員)がいた。石川はNICEのワークキャンプに何度か参加していて、楽しいから行ってみようぜ!って誘われたんだ。それで参加したのが、島根の国際ワークキャンプ。

ただ「楽しいから」って言われていただけだったので、全然趣旨も分からず、とりあえず参加したって感じかな。ちょうど到着した日がフリーデイで、ワークが全くなかったので、なんだこれ!ボランティア活動じゃないって思って。でも、ごまさんのなんかのお祝いにフランス人とみんなで北斗の拳の音楽に合わせて踊ったのは楽しかったな。2回目に参加した時は、愛媛で開催されたワークキャンプだったんだけど、その時も宿泊場所が光林荘だったから、参加したというか。来ていたというか。だから、初めは受身でワークキャンプに関わっていたと思う。

大学卒業間際の12月に、いきなり就職内定が取り消された。すでに卒業3か月前だったから、今から就職活動しても間に合わないなって。それなら自分が好きな事に時間を使おうと思って、卒業後は子どもキャンプリーダーや週末ワークキャンプに関わるようになったんだよね。自分が主体的に参加を決めたのは、浜松のワークキャンプからかな。大学では生物の勉強をしたので、ウミガメの保護活動にすごく興味があったんだよね。

浜松の週末ワークキャンプに参加しているときに、今度長野でNICEの説明会があるから来ない?って誘われて、そこでともき(現、長野NICEチームリーダー)やみか(NICE元職員)やおず(NICE会員)やけんじ(NICE会員)と出会ったんだ。長野のNICEメンバーと出会ったことで、長野で開催される活動にも積極的に関わるようになっていったんだよね。

-その後、企業に入社し、治療の道へ進むことを決めた理由は?

就職内定を取り消されてから考えたのは、市役所に入れたら、収入を得ながら今やっている好きなこと(週末ワークキャンプや環境教育活動)もできるかなって。だから市役所の試験を受けたんだよね。でも面接で落とされてしまった。それと同じ時期に、母親の体調が悪くなってしまったので、ちゃんと収入をえないとと思って、桜田電気株式会社に入社したんだよね。

それからつい先月その会社を退社して治療の道へ進んだのは、自分が頑張った分だけ、みんなが幸せになれる仕事をしたいと思ったからなんだ。自分が頑張ると誰かの利益を搾取する、そんな奪い合いの仕事は嫌だとおもった。

自分に正直に働いて、気持ちよくお金をいただきたい。昔から親の肩たたきみたいなの好きだったし、学生の頃、タイでタイ式マッサージの勉強をしていたのも繋がっているかな。ただタイ式マッサージはリラクゼーションの延長なので、本当の人が抱える悩みを治すことができないんだ。だから、人の身体を治し、心も治す、治療家になろうと思った。今教えてもらっている先生は、地球宿で出会った先生。地球宿もNICEの活動がきっかけで出会えた場所なので、ほんと、NICEには感謝しているんですよ。

-今後の夢や展望はありますか?

治療家として、人の身体をしっかり治せるようになりたい。夢に向かっている人の全身ケアができるようにね。身体が不調になってくると、仕事もうまくいかなくなるよね。心も疲れてくる。そのまま家にまで持ち帰っちゃう人もいる。そうすると、子どもにも何かしら悪い影響を与えてしまう。そういう人たちを元気にすることで、その人もその人を囲む人たちも、子どもたちも健全に生きていけると思うんだよね。そんな治療家になりたいと思います。治療家と並行して、地球宿のような、安宿もやっていきたい。人が集まれる場所というのかな。思いの共有ができる場。その二つを生業にできたらいいな。

-成長ダイアグラムについて教えて下さい。

1)実務的な知識・スキル
参加するだけじゃつかないよね。運営する側のこともしっかりやってみないと。俺のそもそも目的が、ボランティア活動でこういう力をつけたい!こういうことをしたい!というのがメインではなく、人との出会いやワークの背景、地域の課題を知る事なので、実務的な知識・スキルは身についてはないかな。

2)人・社会とやっていく力
色んな参加者がいる中で、どれだけ、自分をだしていくというか。全く受身でいるとおもしろくない。自分から意見を言わないといけない場面もあるじゃんね。自分とは違う考え方を持っている人の話を聞いて、それを自分の中に落とし込んで、自分の考えを話す。自分の知らない社会、参加した場所の問題のことを考えて、話すことを繰り返すことで、この力はついたと思います。

3)自分でやっていける力
ワークキャンプでは、色んなことやってきている人が集まってきたり、その土地で自分のやり方をみつけて、受け入れてくださっている地元の方がいるので、その方々は問題に対して考えて行動している人たちだから、そんな人たちと触れ合う中で、自分をもっと磨かなくちゃ、自分もこんな人たちみたいに行動していかなくちゃって気持ちになれたんだよね。意識して日常生活でも行動できるようになったというか。成長できたなって思う。

4)進路・目標
人との出会い、つながりによって、自分の進路、目標(夢)が明確になったんだよね。その明確になった夢にを語り、実現させようと動くことでさらなるつながりができたっていうのはとても大きいです。

5)社会への考えや価値観
今世界にある問題は、知らないと問題視する事のできないと思うんだ。それをどうやって知るかっていう意味で、ワークキャンプに参加した意味もあるんだよね。実際に直面している問題、そこで交わす参加者との議論によって、少しずつ、世界で起こっている問題を自分のこととして考えることができるようになった。そして、話を聞くことによって、自分の狭い世界がひろがって、そういう問題があるんだったら、こういうときはこうしようって思えるようになったかな。

6)その後の人生に生きた人脈
いままで話したことと一緒。これが一番自分にとっては影響を受けたかな。自分の人生の転機となる出会いは、NICEのワークキャンプがキーワードになっています。人とのつながり、出会いに感謝しています。

-最近、ワークキャンプに参加したいんですが、親が反対しているんですって声をよく聞きます。武井さんも反対されていたとお聞きしたのですが、どうやって説得なさったんですか?

親がなんで反対しているのか、ちゃんと聞いて、ちゃんと自分の中でも分かってあげて、分かったあげたうえで、自分はこういうことがしたいと考えているんだ。(親が)ダメだといった理由に対して、例えば危険だからとか、勉強がおろそかになるからとか、きちんと解決策を提示することが必要だと思う。そんなときに、こうやって解決してきた人がいるって話してもいいよね。熱意を持って話せば、ちゃんと伝わると思うよ。親の言うことを突き放すんじゃなくて、親の心情などのその辺はちゃんとわかって話し合いをしないとね。反対を押し切っても時にはいいだろうけど、信頼がなくなってしまうと後に続かないからね。

-それでは、最後にメッセージをお願いします。

今、自分の人生について考えて悩んでいる人。もう少し自分の心に正直になって夢を追いかけたいと考えているなら、週末ワークキャンプに参加してみるといいと思う。週末ワークキャンプは、参加しやすいし、色んな場所でも開催されている。来てみると、自分の何年後か先を生きている「先輩」が集まっているので、もちろん学生なら自分と同年代の人も参加しているよ。そういう人たちに自分の素直な心境を話すだけでも、ものすごい自分の考えが広がるというか、楽になると思うよ。アドバイスももらえるし、一緒に考えてくれる人たちが集まるから。そういう出会いが待っているのが、週末ワークキャンプだと思う。尚且つ、自分の思い描いている夢に似通ったワークであれば、より似たような人が集まってくるよね。もしかしたら自分の考えていることを、すでに実践している人と出会えるかもしれない。特に、受入れ団体の方々は、実践者だから刺激になると思うよ。

人生を決めるのは、人との出会いであり、それが詰まっているのが、ワークキャンプですよ。週末ワークキャンプのリーダーは優しくてオープンな人達なので、興味があったら気軽にメールを送ってみてください。きっと、人生はおもしろい方向にすすんでいきますよ。

2011年11月15日(火)15:50- Skypeにて

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