長田顕泰さんの履歴書。

2012/08/21

現場と直接関わっていく。
長田顕泰さんの履歴書。

名前
長田顕泰さん
性別
男性
年代
28才(インタービュー当時)
属性
開発コンサルタント会社
参加国
韓国、タイ、インド、イタリア、日本

満足度95%、活動のやりがい度70%の数字に込めた思いは?

もちろん活動をしているときは、色々感じることもありましたが、今振り返ってみるとどの場面も満足していますね。ただ佐渡や東久留米(小山)の国際ワークキャンプのとき、共催団体の方に負担がかかってしまったなと思ったので、-5%させていただきました。

やりがい度に関しては、場所によって違うので、平均して70%でした。リーダーを務めた小山や佐渡は、とてもやりがいがありました。小山の場合は、子どもたちと一緒に盆踊り大会の準備をしましたし、佐渡は第1回の開催だったので、おっきー(元NICE職員)と地元の方、ボランティアとゼロから創り上げたので、とても充実&やりがいがありました。

一番最初に参加した韓国が、実はやりがい度に関しては低いんですね。TIF(Together in Forest)がテーマのワークキャンプだったので、森林のワークだと思って参加を決めたんですが、実は田舎の村おこしでした。雨が降ったらワークがなくなったり(笑)。活動の意義があいまいだったんですね。

そうだったんですね。初めて参加した国際ワークキャンプが、あれ?と思ったのにもかかわらず、NICEで活動を続けようと思えたんですね。

もちろんワークのやりがいは少なかったけれど、地元の人達と一緒に飲んだり食べたり働いたりと、みんなで一緒に取り組むことがこんなにも楽しいんだと気付かせてくれました。学んだもの、得たものが一番多かったのがこのワークキャンプだったので、次にもつながったんだと思います。

そんな数々のワークキャンプで得た力(成長ダイアグラム)について教えてください。

6つの項目の中で、一番大きく影響を受けたのが、2)人・社会とやっていく力、4)進路・目標、5)社会への考えや価値観です。ここは間違いなく5だと思ったので、そこをまず付けました。その他の項目は相対的に見て、4と3を付けました。

2)に関していうと、国際ワークキャンプのリーダーを務めたことで、自分なりにリーダーの在り方を考えて実行することができました。リーダーにも色んなタイプがいていいこと、周りの人と一緒に協力しながら現場を進めていくことが大切だと学びました。

また4)に関しては、履歴書の「ワークキャンプとその後の人生」にも書きましたけれど、子どもに関心を持つようになったのは、間違いなく週末ワークキャンプで参加していた渋谷や小山の影響ですね。

国際ワークキャンプに参加後、東京近郊で開催されている週末ワークキャンプに顔を出すようになりました。小山もその一つなんですが、最初は子どもに興味があったわけではなく、そこに参加しているボランティアのメンバーが好きだったからです。失礼になりますが、最初は活動に対するモチベーションは低かったですね。高尾山へ子どもたちと一緒に遠足へ行く活動だったのですが、事前準備にも参加せず、当日のみの参加をしていました。参加してみたら、子どもたちの反応がきついこと(笑)。もう嫌い、嫌だ!を連発するんです(もちろんこの態度の裏には、様々な要因があります)。けっこう心がおれそうでした。それでも2~3回連続で参加すると、子どもたちから名前を呼んでくれたり、一緒に遊ぼうと誘ってくれたり、仲良くなれたんです。少しずつ子どもとの信頼関係を築いていったのですが、その過程がとてもいいなと思ったんです。

また、小山で出会ったボランティア二人が、アフリカへ青年海外協力隊(以下、協力隊)としていくんだと言っていました。この時初めて、協力隊の存在を身近なものとして意識しました。ワークキャンプは2週間だけれど、協力隊なら2年間、現場に入ってがっつり活動できるなと考えるようになったんです。先にアフリカへ行ったその人から、協力隊は大変だぞというアドバイスも頂いていましたが、実際に自分の目で見てみないとわからないと思い応募をしました。応募した活動内容は、子どもに関するものでした。ここでも影響していますね(笑)。

8月にエクアドルへの派遣が決まり、さて親になんと話そうかと考えていたところ、いきなり協力隊で2年間いくと言ったら親が困るだろうなと思って、大学院も受けることにしました。もちろん2年間エクアドルで活動して、考え方も変わると思いましたが、帰ってからの事も考えて、大学院の籍も残すことにしました。

これも、最初に行った韓国の国際ワークキャンプで、現地の人達と衣食住を共にした楽しい経験があったからですね。海外へ目が向き、協力隊へと繋がりました。

2年間のエクアドルでの活動はいかがでしたか?

なるべく長い期間、一つの場所に入って現場を見たいと思ったのは、将来的に環境の計画・政策に携わりたいという気持ちがあったからです。計画や政策を作りには、現場感が必要ですからね。実際に2年間村の人達と一緒に暮らし、一緒に仕事をし、一緒に週末に時間を過ごしたら、やっぱり現地の人達と一緒の時間を共有することがとても楽しいなと感じたんです。それで、やっぱり現場に近い場所でこれからも関わっていきたいと思い、開発コンサルタントの会社に入りました。

今のお仕事(開発コンサルタント)について教えてください。

例えば、先日まで出張で2ヶ月近くいた南スーダンの話をしますね。南スーダンでは、ゴミを収集するシステムも機能しておらず、道路上にゴミが山積みにされている状態です。処分場もありますが、日本のようにごみを処理していないので、臭いがすごいんです。衛生的にも良くないですから、病気の原因にもなっています。今回の訪問では、ゴミ収集の仕組みを整備して、既存の処分場を改善するための計画づくりを現地の人と一緒に始めました。その他に、ベトナムや中国でも廃棄物管理プロジェクトに携わっています。

今後の展望は?

そこまで大きなことはできないと思っているので、これまで関わった人やこれから関わる人、自分の周りの人が幸せになることに取り組みたいですね。一つは、今仕事で学んでいる技術を活かして、エクアドルでお世話になった人の街でプロジェクトを起こしたいです。そうやって少しでも幸せを増やしていきたいです。

最後にメッセージをお願いします。

自分が最初にNICEに出会ったのは偶然でした。アースガーデンにふらっと遊びに行ったら、NICEがいて、話を聴いて、直感的に「面白そう」と思ったのが参加のきっかけです。出会いは偶然だと思うので、まず頭で考えるより行動を起こすことが大切だと思います。行動を起こしたら、後から色んなものがついてくると思います。

NICEには様々な活動があります。分野も多岐にわたっていますし、その中には自分に合わないと思う活動もあるかもしれません。自分も渋谷に最初参加した時はそう感じ、別の場所の活動(小山)に参加するようになりました。合わないと思っていた渋谷の活動も、1年後に再度参加してみたらとっても楽しく充実していました。違うって思ったら他の活動に参加したらいいし、そういう幅の広さもNICEにはあると思います。

これからのNICEに期待することはありますか?

コンサルタントの仕事を始めて1年ちょっとですが、NPOはちょっとなと考えている同業の人も中にはいます。でも僕は、必ずしもNPOが劣るわけではないと思っています。民間企業の強み、NPOの強み、それぞれの強みを生かしながら協働できたらいいですよね。今回55日間南スーダンに滞在しましたけれど、現地の人や文化、考え方、ふるまい、食生活を理解するのは、ワークキャンプで2週間行ったときの方が深い気がしています。そういう意味で、ワークキャンプはすごいと思いますので、ぜひNICEらしい力を発揮していってほしいですね。

2012年5月29日(火)18:30-@新宿

ワークキャンプわたしの履歴書一覧に戻る