唐澤佑子さんの履歴書。

2012/10/01

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1.様々な国際ワークキャンプがある中で、ブルガリアを選んだのはなぜですか?
夏休みになにをしようかと考えていたときに大学の掲示板でふと目にしたNICEのポスターに、国際ワークキャンプの例としてブルガリアが挙がっていたのがすごく印象に残り、また、どうせ一人で行くならあまりメジャーではない所のほうが面白いかも、と思いブルガリアを選びました。
 
2.ポーランドのワークキャンプに翌年参加をしていますが、2回目を参加しようと思ったのはなぜですか?

1回目のブルガリアの孤児院での子どもたちとの活動がとても楽しかったこと、約2週間のブルガリア滞在でしたがいろいろな意味で本当に勉強になったこと、「東欧」にはまったこと、一人旅にはまったことが理由です。
 
3.満足度100%、活動のやりがい度100%の数字に込めた思いは?
ブルガリアでは孤児院にいた子たちと年齢が近かったこともあり、片言のブルガリア語や英語やジェスチャーなどでなんとか意志を伝えつつ、いろいろな話や作業をしたのがとてもいい思い出です。また、ほかのヨーロッパからのワークキャンプの仲間に比べて自分の英語力やコミュニケーション能力がまだまだだ、と気づかされたのも自分自身のためになりました。ブルガリアは2000年当時、まだ経済的にはあまり豊かではありませんでした。私が行ったPlovdivという町にスーパーといったものは見あたらず、小さな商店が主流でした。当然品数も少なく、例えばヨーグルトにしても2,3種類しかない。日本ではスーパーの乳製品コーナーには異なる会社のいろいろな種類のヨーグルトがたくさん陳列されています。また、孤児院の食事も、誤解を恐れずに言えば、衝撃的でした。しかしこういったブルガリアでの経験は、モノがあふれ次から次へと使い捨てをしている日本の状況、自分の生活を顧みる良いきっかけとなりました。
ポーランドでは、キリスト教団体主催の子どもサマーキャンプということもあって、彼らの日常における宗教信仰の実践・浸透度合いに驚かされました。また、ゲーム機などない自然いっぱいの環境の中での子どもたちの創造力豊かな遊び方にも驚かされました。
 
4.成長ダイアグラムについて教えてください。
  それぞれなぜその数字をつけたのですか?

 
1)実務的な知識・スキル 4
(すみません、何を書いたらいいか全く思いつきません。)
2)人・社会とやっていく力 4
知らない人と出会って、外国語でいかにコミュニケーションをとるか、ということを学ぶには絶好の場でした。
3)自分でやっていける力 5
ほとんどの方がそうだと思いますが、ワークキャンプ地までは一人で自力で行かなければなりません。私の場合、ワークキャンプの前後に主に東欧を一人旅したこともあって、言葉があまり通じない国でもなんとかやっていく力がついたと思います。
4)進路・目標 5
最初のワークキャンプ地ブルガリアで出会ったジプシーがきっかけで大学での専攻を選び、いまだに研究を続けています。
5)社会への考えや価値観 5
すでに質問3で書きましたが、2回のワークキャンプは私の価値観に大きな影響を与えました。ワークキャンプの現場で現地の人々やボランティア仲間と話すことを通して彼らがどのような社会に住みどのような考えをもっているのかをまず知ることができ、そしてその経験は自分の国を顧みる際におおいに役にたちます。
6)その後の人生に活きた人脈 4
ワークキャンプから帰ってきて何回かNICEの集まりに参加しました。同じような経験を持つ様々な人に出会えたのはいい思い出です。
 
5.ブルガリアで出会ったジプシー〈ロマ)に興味を持ち、専攻を変更したんですね。
  ジプシーにそこまでひかれたのはなぜ?

ブルガリアで出会ったジプシーに興味を持ち、彼らを研究するために人類学という学問を選びました。
ジプシーにひかれたのは、一言で言ったら彼らが私にとってエキゾティックな存在だからだと思います。
ブルガリアはヨーロッパの国ですから、ブルガリア人、いわゆる白人がいるだろうと思っていました。
しかし行ってみると、浅黒い肌の人が街にちらほらいて、道端で熊使い(大道芸のようなもの、今はいるかどうかわかりませんが)なんかもしている。そしてなんとなく、社会に溶け込んで生活しているようには見えない。ワークキャンプ先の孤児院では、むしろブルガリア人は少なくて、肌も髪も黒い子たちが多い。それまでなんとなくしか知らなかったジプシーにブルガリアで出会ったことで「彼らは誰なんだろう、どんな生活をしているんだろう」と疑問を抱いたのがきっかけです。
 
6.今後の夢や展望を教えてください。
今秋から始まるチェコの大学院を終えること、つまりチェコ語で博士論文を書いて博士号を取ることです。
あとはヨーロッパに住み続けたいです。
 
7.最後にメッセージをお願いします。
私は広い視野を持つことはとても重要なことだと思います。
そのためには生まれ育った土地以外のところで様々なことを見聞きし、その土地の人と話し、異なる文化・社会に触れるという体験はおすすめです。文化・言語・暮らし方の違いを体験することは楽しいことです。


唐澤佑子さん
2012年9月27日(木)にメールにて回答いただきました。