国内・海外ボランティア活動を行う
国際ボランティアNGO NICE(ナイス)は
1990年の設立。国内・海外約90か国で
ワークキャンプ等の各種事業を行います。
●ガザでの即時停戦を呼びかけます。
●ウクライナと世界の平和を強く求める、緊急声明とアクション
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半農半Xで日本の伝統を次世代に繋ぐ
国際ワークキャンプで地域が明るく
- 名前
- 松原枝里さん
常陸大宮市・地域おこし協力隊 - プログラム名
- 国際ワークキャンプ 常陸大宮
- 開催年
- 2017年~
- 内容
- 七夕祭りの準備、当日運営
地域の有機農家の手伝いや、祭の会場内で体験型ブースの出店・準備 - プロフィール
- 鹿児島出身、大学進学で上京。東京で3年間会社員を経験したが、その生き方に違和感を持ち退社。その後半年間、WWOOFでのファームステイやNICEでのワークキャンプで国内をめぐり、半農半Xを目指して地域おこし協力隊に就任。現在は地域のものづくりを元に複数のナリワイを持つ暮らしの実現を通して、新しい生き方の提案を目指している。

NICEとの出会いを教えてください
4年前の北海道の黒松内で開催された国際ワークキャンプに参加し、自然学校での子どもキャンプサポートをしたのがきっかけです。ちょうど、3年務めた会社を退職し、将来に向けてとにかく色んな生き方を知りたいと思っていたので、ボランティアとして地域での活動に関わることにしました。
学生時代は教育学部で教師を目指していたのですが、「学校の中での教育だけが教育じゃないのでは?」と感じ、自分が本当にしたいのは教師とは違う立場で関わることだと思うようになりました。黒松内では自然体験活動を通して子どもの学びの場をつくるという内容に惹かれて参加しました。
また、農業や地方の暮らしにも興味があり、過疎・高齢化で課題を抱えた地域の活性に関わりたいと、島根県美郷町での国際ワークキャンプに参加して地域の伝統芸能の秋祭りのお手伝いをしました。
その後、地域おこし協力隊の道に進んだのはなぜですか?
北海道や島根のワークキャンプで色々経験して、将来は半農半Xの生活をしたいと思うようになりました。当時はまだ自分にとって、Xに当たるものがなく、何か見つけようとマッサージの学校で約1年勉強をしました。次のステップとして、いよいよ地方に移住しようと決めたは良いものの、いきなりの開業は難しく、「地域おこし協力隊」として地方に住みながら収入を得られる仕組みを活用することに。実は島根県・美郷のワークキャンプにも地域おこし協力隊の方々が関わっていたので、その時にそんな制度があるのかと知ったんです。
全国で地域おこし協力隊募集はありますが、茨城県・常陸大宮に移住した決め手は?
協力隊の募集を探していた当時、まだマッサージの学校には通っていたので、東京へ日帰りで行ける距離で探していました。また、NICEのボランティアやWWOOFでの農業ボランティアの経験で視野が広がり、そのおかげで自分自身、次のステップに進めたので、今度は自分が地方に移住したい人の力になりたいと思い、「移住コンシェルジュ」という職種で募集されていた常陸大宮の地域おこし協力隊に応募しました


その後、活動地域で国際ワークキャンプを受け入れようと思ったのはどんな経緯だったのですか?
協力隊になって私が初めて住んだ長倉地区では、毎年「長倉七夕まつり」が夏に開催されていました。まつりの協賛会の会長さんが「何やら協力隊という人がやってきたらしい」という噂を聞き、声をかけてくださったんです。七夕まつりを盛り上げるために案がほしいとのことでした。
1年目はまず自分がお手伝いとして参加してみました。その時感じたのは、戦後から続く伝統的なお祭りですが、過疎・高齢化で担い手が不足し祭りの継続に課題を抱えていること。そんな時、島根での活動を思い出しました。地域の人たちが国内・海外から来るボランティアを毎年楽しみにしながら、お祭りを一緒に盛り上げている。それを、ここ長倉でも実現できないかな?とNICE事務局に相談しました。
実際開催するにあたり、地域で様々な調整をしていただきました。その中で難しかったことや工夫したことはありましたか?
地域の方々は最初、英語もしゃべれないし、「うーん大丈夫かな?」という不安もあったようですが、「まずはやってみよう!」ととても協力的な方々ばかりでした。新しい取り組みに対してオープンで協力的な雰囲気が長倉の魅力なんです!
ワークキャンプにはお祭りの協賛会の方々だけでなく、できる限り多くの地域の人を巻き込む工夫をしました。隣の地区のよさこいチームと一緒にソーラン節を練習する企画を組んだり、有機農業をされている移住者の方の所で農業ワークを組み入れたり、道の駅で七夕まつりのプロモーション・折り紙ワークショップを企画しました。
初開催をして、地域の方々の反応はいかがでしたか?
それはもう、すっごく楽しんでくれました!実は例年、祭りが終わると振り返り会で「来年はどうしたものか…」と悲観的な声も多かったようです。しかし、昨年は国際ワークキャンプと共に七夕祭りを終えて、「来年はあれをしよう!これもしよう!」と前向きな意見をたくさん聞くことができました。
また、たまたまロシア人ボランティアが密着取材を受けたテレビ東京の番組「Youは何しに日本へ?」で祭りの様子が放映されたこともあり、長倉地区以外の方々にも活動を知ってもらい声をかけてもらう機会も増えました。

今後の活動の計画を教えてください。
国際ワークキャンプによる七夕まつりの応援は継続開催していきたいと思っています。また、長倉地区の休耕地の活用として和綿の栽培を始める計画があり、それに関連した中長期ボランティアの受け入れも今後検討していきたいです。
今年度で協力隊の任期が終了するので、退任後も活動を継続できる仕組みづくりが現在の課題です。今年は、地元の高校生・大学生を巻き込み、将来の祭りの運営の担い手へと繋げていければと思っています。
今後、NICEに期待することは何ですか?
ワークキャンプ等をきっかけにその地域に移住する方もいると聞いたことがあるので、いずれここ常陸大宮に移住してくれる人がいたら理想ですね。移住とまではいかなくても、再び地域に訪れてくれるメンバーが増えて「第2の故郷」のような場所に なれたら、大きな成果だと思います。
協力隊を退任後の予定を聞かせていただけますか?
ここ常陸大宮に定住する予定です。今は自分が「ものづくり」が好きだと改めて気が付いたので、ものづくりを通したライフスタイルの提案や、目標にしていた半農半Xの実践をしていきたいと思っています。
これから新規開催をする方々へ向けて、一言アドバイスをお願いします!
想いを持って動いていれば必ず周りに伝わり、関わってくれる皆が協力してくれます。NICEの職員さんもとても丁寧に対応してくれるので安心です。私は去年が初開催という事もあり、何から何まで全部ちゃんとこなさなきゃ!と肩に力が入っていましたが初開催を終え、1人で全部を完璧にやろうとせず、いい具合に周りに任せて流れを見守っていても大丈夫だということを学びました。大事なのは「うまく完璧に計画を実行すること」ではなく「みんなで1つの目標に向かい、感動や喜びを共有して最高の経験を分かち合うこと」なのですから♪