国内・海外ボランティア活動を行う
国際ボランティアNGO NICE(ナイス)は
1990年の設立。国内・海外約90か国で
ワークキャンプ等の各種事業を行います。
●ガザでの即時停戦を呼びかけます。
●ウクライナと世界の平和を強く求める、緊急声明とアクション
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歴史・文化・生活を未来への財産として後世に伝える
福井県勝山市での国際ワークキャンプ
- 名前
- 國吉一實さん
小原ECOプロジェクト - プログラム名
- 国際ワークキャンプ 勝山
- 開催年
- 2009年~
- 内容
- 雪かき・雪おろし
古民家内の片づけや掃除、地元小学生との交流も行う可能性も - プロフィール
- 1969年生まれ。大学卒業後、サラリーマン生活を経て地元にUターン。 かねてよりサバイバル的な山の暮らしに憧れ林業(木こり)に就く。また、廃村の危機に面した小原集落の存続再生を目的として、平成18年「小原ECOプロジェクト」を設立。 小原ECOプロジェクト代表、小原生産森林組合代表理事組合長。

まずは、小原集落のことと、小原ECOプロジェクトのことを教えてください。
小原地域は、福井県勝山市東部の石川県境に接した山間域にあり、標高500mの高所に位置する集落で、斜面を切り開いた狭い敷地に段々状に佇む家屋が見られます。
小原ECOプロジェクトは、小原集落を含む小原地域一帯の歴史・文化・生活を未来への財産として後世に伝えるため、平成18年に結成されました。これまで、地域資源を活用したエコツアーを開催するほか、伝統的古民家の修復活動や、希少種の保全活動、耕作放棄地の再生活動を行っています。このような活動を通じて、地域の活性化、集落景観の保全に取り組んでいます。
NICEと初めての出会いはいつでしたか?
平成19年に福井県の事業で、都市農村交流の連携をつくっていく動きのなかで、NICEと知り合うきっかけがありました。当時、代表の開澤さんに小原地区を訪問していただきました。
そのときは、ちょうどエコツアーなどを始めたばかりで、小原ECOプロジェクトもはじまったばかりでした。団体や地域の認知度がほとんどないなかで、本当に日本・海外から参加者が集うのかという不安はありましたが。
そんな不安がありつつも、受入をしてみようと思ったのはなぜですか?
まずは、直観でおもしろいと思いました。それ以外でも、自分自身も学生時代やサラリーマン時代に海外への関心が強かったのですが、海外とつながれるような取り組みが日本国内で浸透していない印象がありましたので、国内でこういったことをやっていくということは、自分の思いとも合致をしていました。

地域の反応はいかがでしたか。
そもそも、日本国内の学生さんもほとんどきていないなかで、さらに海外からの人たちがほとんど来たことがない集落での取り組みは、戸惑いなどもあり、抵抗感があったと思います。
最初にプロジェクトを実施したときは、地域の人たちが少しひいていた部分はあったかもしれない。これまでの生活のなかで、異文化にもふれる機会がなかったものですから。ただ、最終的には海外の人たちとの触れ合いのなかで、同じ人間として、変わらないという理解が広がっていきましたボランティアとして、具体的に自分たちに貢献してもらえたことで、今度は自分たちが何かお返しをしていきたいという気持ちに変化がうまれてきました。
その後、国際ワークキャンプだけでなく、農林水産省の田舎で働き隊!の制度を使って、3か月や半年間若者を受入されましたが、地域のみなさんの反応はいかがでしたか。
実際に小原地域に住んでいる住民の方は当時2名でしたが、田舎で働き隊!を通じて、3か月や半年若い人たちがいてくれたことは大きな力となりました。外からやってくる人たちと触れ合う機会を非常に楽しみにされてきました。
現在は、住民の方が1名となってしまいましたが、絶えず、次はだれがくるの?というのを期待してくださっています。
近年は、アジア地域では珍しい家族ワークキャンプを開催されていますが、実際に受入をされていていかがですか。
親子ワークキャンプをやっていて思うこと、子どもが本当に純粋にここでの生活を楽しんでいると思います。それって、いまの時代に必要とされているのかなと思います。子どもたちは、言葉が違うなかで活動に取り組みますが、純粋だからこそ、子ども同士が仲良くなっています。また、ボランティアで親たちがせっせと汗を流して働いているのですが、そういった場面を子どもたちがみる機会というのは、とても貴重な機会だと思います。


国際ボランティアを受入こられて、一番の成果はどんなことだと考えられていますか?
自分たちは、福井県内で早くからこういった取り組みをおこなってきました。地域では、異端児的な存在だったと思います。その中で、取組みや団体のことを常に発信してこれたことは、成果だと思います。
自分自身は、限界集落と言われている場所で、若い人たちがあふれかえっている姿が非常に嬉しくて、続けてこれた部分もあります。次はどんな人たちがきてくれるのかが、毎回楽しみです。また、一度参加をしてくれた人たちが、その後も来てくれたりすると、小原地域を第2の故郷と思ってくれたのかなと思うと非常に嬉しいです。
今後のNICEに期待することはなんですか?
キャンプのニーズが広がっていると感じています。過疎・高齢化が大きな問題になるなかで、国内のひとつの窓口として、リーダーシップをとりながらやってもらいたいと思います。北陸地域では、早くから小原が受入を始めてきましたが、いま、石川や富山でも活動地域が広がっていることが非常に嬉しく思います。
わたし自身は、限界集落の問題があるなかで、住民がいなくなってしまう地域でも、ボランティアを受入、ツアーをしかけていくということで、地域が生き残っていくことにチャレンジをしていきたいし、この地域を未来の世代に残していきたいと思います。