週末ワークキャンプ報告 ~つくばNICE稲刈り~

2014/10/24

つくばNICE稲刈り

●日程:9月20日(土)~21日(日)
●参加者:板谷和城さん、小見耕太郎さん、海保雄司さん、楠見幸司さん、佐藤美咲さん、志和加奈子さん、星野慧さん、ほか3名
レポーター:小見耕太郎さん
 

  

今回のつくばNICEのイベントは初参加、NICEのイベントとしては2回目になる。
初参加のイベントは何でもそうだが、webやメールの説明を読んでいても
現地で直接概要を聞くまで何をするのかイメージがつかめない。
希望と不安が入り乱れる。

つくば駅で地元主催者の柳瀬さんに迎えていただき、
宿泊場所である自然生クラブのケアホームまでハイエースで40分程揺られる。
宿に着くとメンバーの簡単な自己紹介と2日間の日程を聞く。
数年前から参加しているリピーターの方が多く、初参加は自分含め2人。

初日は、2日目の稲刈り本番を手伝いに来る方のために120人分のカレーを作る。
まずは、風雨にさらされ錆びついた鉄の大鍋を、男4人がかりでに洗い上げる。
次に女性チームが準備してくれた食材や調味料を鍋に投入していく。
最も苦労したのは、玉ねぎがあめいろになるまで焦がさないように大しゃもじで
50分混ぜ続けること。かまどから吹き出る煙と格闘しつつ協力して混ぜ続けた。
このとき程涙が止まらない体験はなかった。

カレー作りの後は、稲刈り後に行う田楽の舞いの舞台作りのために丸太を運ぶ。
軽トラの荷台に溢れんばかりの丸太を積見込んで畦道まで運ぶ。
そして丸太を田んぼの上に組んだ後、稲束をラグビーのようにリレーしながらかけていき、
「おだがけ」を作る。
リレーの一体感とテンポよく見る見るうちに稲が丸太を埋めていく様子が楽しい。
作業がひと段落すると夕暮れ時。
筑波山を右手に辺りを赤く染めながら田園風景に沈む夕日を眺めた。
童謡が聞こえてきそうな景色に日本人の原風景を感じた。

宿に戻り、心地よい疲労感の中ケアホームの入居者の方と一緒に夕飯をいただく。
作業後の味は格別でチキンのトマト煮混みは3杯も食べてしまった。
その後男同士で湯船に浸って疲れを癒したり、
夜はメンバーと飲んで語る時間もワークキャンプの醍醐味だ。

二日目は、稲刈り本番。朝から続々と参加者が集まる。
前日の雨の予報も見事に外れ、青い秋空の下稲刈りが始まった。
入居者の方やその家族、地元の人など様々な人達が一緒に作業をする。
小金色に実った一面の稲穂に足を踏み込み、向こうに続く田園風景と青い空に目をやると思わず
風の谷のナウシカの1シーンが思いだされた。

NICE参加の男衆は、柳瀬さん指揮の下、田楽の舞いの舞台にふさわしい芸術的なおだがけを組んでいく。
舞台の背後を囲む高さ4mのおだがけに「自然生流」の旗が猛々しく掲げられ迫力の舞台となった。
作業後に舞台を眺めつつ畦に座って自分達で作ったカレーを食うと、やはり最高に美味い。
準備が整うと和太鼓が打ち鳴らされる中、神秘的な衣装を纏った演者の方が田楽の舞を披露する。
動と静の見事な動きに、自然に対する畏敬の念が垣間見えるようだ。
初参加者は、途中から促されて太鼓を腰に下げて演者の方を中心に踊り回る。
ぎこちない自身の動き、太鼓の音と手に伝わる振動、稲と土の匂い、
まわりの愉快なステップ、緊張から高揚へ。

何の縁もないつくば山麓の田んぼで快晴の秋空の下、初対面の人達と田楽の舞を踊っている非日常感が最高に楽しかった。
美しい景色、新しい体験、様々な人との交流を楽しんだ非常に充実した二日間を過ごすことができた。
そして、メンバーとの再会や新しい出会い、新しい体験を求めて、次回の田植えも是非参加したい。

レポーター:小見耕太郎さん
6年間仙台の山で悶々と過ごした結果、首都圏への就職を機に様々なイベントに行き始めた社会人1年目。