亀井(旧姓:藤原)圭子さんの履歴書。

2012/08/20

多様な価値観に触れられた。
亀井(旧姓:藤原)圭子さんの履歴書。

名前
亀井(旧姓:藤原)圭子さん
性別
女性
年代
35才(インタービュー当時)
属性
子育て中!
参加国
イタリア、チェコ、ベルギー、ドイツ、日本

そもそも、NICEを知ったきっかけは?

今までとは違った事がしたいなっと漠然と考えて、図書館へ行ったんです。何かないかなと探していて、手に取った本に(NICEの)連絡先が載っていたんです。国際協力の本だったと思います。そこには、「1000円(だったかな?)の切手を事務局へ送れば資料をあげますよ」とあって、あやしいなと思いつつ資料請求をしました。1000円くらいなら、もし変なところでもいっかって(笑)。資料を見て、熊本県清和村の子どもキャンプとイタリアのキャンプに参加を決めました。

満足度80%、活動のやりがい度80%に込めた思いは?

たくさん参加したからいっこいっこの満足度もやりがい度も全然違ったけど、総合で、まぁ、無難に80%かなって(笑)。初めて参加した熊本県清和村の子どもキャンプは、満足度100%に近いかな。今までと違う経験もできたし、もっと英語が話せるようになりたい!と思えたしね。それが後の旅にもつながっている。ただ旅の最中に参加したヨーロッパのプログラムはよくわからないものもあったんだよね。何をやってたんやろう、来なくてもよかったんじゃないかっていう仕事もあって。だから、ぜーんぶを平均したら80%かなと。

成長ダイアグラムについて教えて下さい。

ここでつけた数字は、「今のわたし」でつけました。ワークキャンプや中長期から帰ってきた後はもっとあがっていたんだけど、かれこれ参加してから7~8年経つから、どんどん衰えちゃって…。

1) 実務的な知識・スキル3
特に実務的な知識・スキルはおとろえたなーっと。もちろん外国へ行った後は、英語が話せるようになったり、自然の中で生きていくための力、例えば火起こしとか土の手入れとか、がついたりしましたよ。便利な道具がなくても暮らしていけるってその時は思いました。帰ってきて、特に今は都会で暮らしている分、ワークキャンプや中長期ボランティアで磨かれた人間力っていうのかな。そういう力が下がっている感覚があるので3をつけました。

2) 人・社会とやっていく力4 結婚をして、子どもを産んで、家族中心の生活をしていると、どうしても気持ちは家族に向かうんですよね。独身時代は、人や社会とのつながりが強かったけれど、それが少なくなって、家中心の生活になっています。もちろんこれは今の段階の点数だから、子育てが終わって、また自分が使える時間が増えたら、共同生活や共同作業で得た力を活かしたいなと思っています。

3) 自分でやっていける力4
終わった直後は5でしたね。結構悟った感があって、ちょっといきがっていたんですけど(笑)自分は何でもできるって思っていました。英語も話せるようになったし、色んな知識も得たし、何もなくても暮らしていけるという感覚を持てたしってね。でも、今は、まだまだみんなの力も借りてやっていかないとなっていう気持ちになったので4としました。

4) 進路・目標5
参加する前は「自分探し」から始まりました。世界やボランティアにそこまで興味があったわけでもなかったですしね。これをしたいっていう目標も特になかった。何ができるのか、したいのか、自分はどこに向かっているのか分からない状態でしたね。

それから色んな経験を通じて、自分の芯を見つけました。言葉にするのがちょっと難しいんだけど、、、こういう夢があります!こういう目標があります!と表現できたらいいんだけど、なんていうのかな、何かをするときの価値観が定まったというか。自分の中の大切にしたいポイントが見つかったというか。例えば野菜を買う時には、身体にも地球にもいいものにしようとか、子どもはなるべく自然に囲まれた場所で育てていこうとか。もちろん今でも細かい変化は起きているんだけど、大きな自分の中の価値観はNICEの活動を通じて作られたので5としました。

5) 社会への考えや価値観5
これも、進路・目標の話と繋がるかな。価値観はぶれていないから、やっていることは変わっていても、目指すところ、こういう風に生きていきたいっていうところは変わらないからですかね。

6) その後の人生に生きた人脈5
これが一番、本当に自分に残っている財産だと思っています。NICEの活動を通じて得た友達、人脈はたくさん。そして出会う人の質が違うなって感じています。私は周りに影響を受けやすいタイプだから、すごい流されちゃうんです。でも学校や仕事場では会わない、多種多様な人がNICEにはいるから、一つの価値観に縛られることがなくなったというか。価値観が一緒でも違っても、自分の考えを持って生きている人がひとつの場所に集まっている。そしてお互いに影響を刺激を受け合っているんですよね。今はみんな遠くに住んでて普段会ったりとか、連絡を取り合ったりしているわけではないけれど、それぞれがそれぞれの場所で生きているってことがとても自分には大切で。みんなの存在自体が、自分の力になっているっていう気持ちになれたので5をつけました。

熊本県とイタリアのワークキャンプに参加後、お金を貯めて1年間の旅に出よう!と思ったのはなぜですか?

熊本県清和村のワークキャンプに参加した時、英語が全く話せなかったんです。もっと英語が話せるようになりたい!っていうのが旅に出ようと思ったきっかけです。ただ1年間留学するのはおもしろくないよな、ワークキャンプも旅も語学留学もしたい。一年後に行くって決めてたので貯められるお金はこれくらいだから、1年しか海外で暮らせないよな。その中で全部やりたいことをやっちゃおう。それでアイルランド語学留学3ヵ月→ワークキャンプ&旅→中長期ボランティアという順番になったんです。語学留学と中長期は出国前に決めたけど、ヨーロッパのワークキャンプは、旅をしながら決めました。現地で直前にあれやこれや決めた感じですね。欲張りでした。(笑)

実際に旅に出て、最初の動機であった英語は話せるようになりましたか?

英語は話せるようになりましたよ。イタリアにいたときも生活の場は英語だったのでイタリア語は身につきませんでした。今ではみるみる衰えて全くしゃべれませんが(笑)。当時は他の日本人から見て、英語が話せる人だな―っと見られていたくらいにはなりましたね。

先ほどの成長ダイアグラムのところで、価値観に大きな影響を与えたとおっしゃっていましたが、オーガニックやベジタリアン等を意識するようになったのはいつ頃からですか?

キャンプリーダーがベジタリアンだったり、ベジタリアンワークキャンプがあったりして、ベジタリアンについて考えることに自然となっていったんですよね。それで最後に参加したイタリアの中長期ボランティアが、エコビレッジ(エコビレッジとは、「お互いが支え合う社会づくり」と「環境に負荷の少ない暮らし方」を追い求める人々が作るコミュニティのこと)での活動。すでにベジタリアンや自然な生き方にアンテナが張られていたから、どんどん情報が入って来るんですよね。人って興味を持つと、それに関する情報をひき寄せるじゃないですか。それで、イタリアにいるときから自分もベジタリアンになったんです。

もちろん今でもその時の価値観は大切にしています。ただ、旅から帰ってきて京都の有機野菜の小売店で働いているときは、今から考えるとストイックになりすぎていたかなっと思います。NICEで、色んな人がいて、いろんな価値観があることは素晴らしいって学んだのに、その時の自分はオーガニックな生き方が全てだって考えていたんですよ。狭かったです。オーガニックが全て、みたいな。でも違いますよね。色々な考えがあっていい。自分の価値観に周りを合わせる事が正しいわけじゃないし、人までは変えられないですよね。結婚して子どもを産んで、旦那さんとも、子どもとも、家族や親せきのみなさんとも生きていかなきゃいけない。生活の葛藤の中で、正解なんてないんだ、どんなことも正しい正しくないってことはないって気づいて柔軟に考えられるようになったんです。

今後の夢や展望は?

そうですね、自然いっぱいのところで子育てがしたいかな。自然の中で、人間の力を思う存分発揮して生きていきたい。その方向性は、旦那も私も一緒なんです。ただやり方が違うので、今どうしようか模索している最中です。もやもや中(笑)。旦那は自然な流れに任せるタイプ。アンテナを張っていればいつかそっちに引き寄せられるだろう。その流れに乗ろうって考えている。よくいえば慎重派、待つタイプかな。私は思い立ったらすぐにやりたいタイプ。やりたいなら、すぐに行動を起こしてでもやろうって。

だから、今はその波が来るらしい旦那の横で、波が来るのを待っているんです(笑)。こう話すと今の生活に満足してないのって捉えられちゃうかもしれないけれど、今の生活も都会だけどいいところはあるんですよ。おばあちゃん・おじいちゃん、さらにひいおばあちゃん家がものすごく近いから、子どもがたくさんの家族に囲まれて幸せですよね。3世代4世代で近くに暮らすっていうものいいことだよなって。もし自然いっぱいの所を求めて田舎に行くと、家族と離れることになるから、今のような暮らしは手に入らないもんね。それもさみしいなと思っています。

でもやっぱり、ふと考えるとね、自然とかけ離れた生活を続けるのはなんか違うなと感じるんです。ただ焦ってもどうしようもないから、良い方向に進むと思いながら今の暮らしを大切にしていこうと思います。

最後に、何かメッセージをお願いします。

参加するのに遅い早いはないけど、若いうちに知っておくことで、その先の人生が広がるんじゃないかな。後で知ると、あー先に知っておけば・・・って考えになるからね。本当にやりたいなら、お金がない、時間がない・・・のはなんとかなる! から、借金してでも行ってみたらいいんじゃないかな。よくいうじゃない、借金してでも旅に出ようって。

2012年2月14日(火)@Skypeインタビュー

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