関塚美貴さんの履歴書。

2012/08/20

動きたいように動いてみる!
関塚美貴さんの履歴書。

名前
関塚美貴さん
性別
女性
年代
24才(インタービュー当時)
属性
タンザニアで活動中!
参加国
ベトナム、日本、タイ、フランス

参加したワークキャンプは、ベトナム、タイ、フランス、塩尻ですね。満足度80%、やりがい度80%に込めた思いは?

参加するたびに新しい発見があったりとか、自分の価値観とか、弱さとかにぶちあたる機会がワークキャンプにはあって、活動中の2週間は、すごく自分と向き合う時間になるんですよ。その時の自分は100%でやっているんだけれども、それでよし、これであたしはやりきった終わり!って絶対にならなくて。どのワークキャンプでももっとこうできたとか、もっとこうしたいなっていう向上心がいつも生まれました。これで満足!!って終わらないから、80%。次につながるための-20%という意味でつけました。

それは活動のやりがい度の80%も同じ?

活動のやりがい度は、もっとプログラム的に、ここの時間を有意義に使いたかったなとか、ワークの内容ももっとこういうことができたんじゃないかなっていうのがあったからですね。

成長ダイアグラムにオール5をつけてくれた理由は?

1. 実務的な知識・スキル
参加したワークキャンプは、全部教育関係のプロジェクトでした。参加したものによって身についた知識やスキルは違いました。まずひとつは、教えるスキルというか、子どもに対するスキル、接し方だったりとか、そこで力がついたと思います。他には、英語の力もそうだし、あとは、自分の意見を人に伝える力とか、色んな国の人がいる中で価値観を認める力だったりかな。

2. 人と社会とやっていく力
難しいですね。答えるの(笑)。とりあえず今まで生きてきた価値観を超える色んなものに出会うから、その中でそれを認めたりとか、自分をじゃあそこでどうもっていくのか、そういう力が付いたと思いますね。

あたしもともと、自分を出すのが得意じゃないんですよ。ワークキャンプの場は、自分のことを知っている人はいないから、いつもゼロから始められるんですよね。そのたびに、好きな自分をだんだん出せるようになった気がします。

3. 自分でやっていく力
自分次第ですからね、本当に。楽しようと思えば楽できるし、もっと何かをやろうと思えばできるし。この場で一瞬で、どこに向かうか、なんて答えるかというのが全部自分の判断でやっていかなくちゃいけない。旅行と違って現地集合だから、そこも大きかったかな。全部自分で決めて考えて人に話を聞いたりとかして、行動しなくちゃいけないから、判断力はものすごくつきました。

―自分でやりたいように動いて、決めて、歩いている感じがしますよね。進路としてフリースクールを選んだじゃないですか。一般的な就職活動の就職先としては珍しいですよね。やりたいものがあって、自分が今まで感じてきたこと、伝えたいことをこの職場では伝えられると書いてあるから、自分でやっていける力が本当にあるんだなと感じました。

自分の動きたいように動きまわりたいんです。移動が自由っていうのは自分にとって大切で、それだけだと寂しくてしかたがないから、現地で集合すれば人にあえて、一緒に生活することができるワークキャンプはすごい自分はあっていて楽しかったかな。

4. 進路・目標
これはすごくおっきいですね。一番最初はベトナムで、1年間のオーストラリア留学を終えて、その途中で参加したんです。その時の自分の夢は、「発展途上国で教育すること」だったんですよ。だから発展途上国の貧しいひと、助けを必要としているひとへの支援で力を出したいと思っていて。それでベトナムへ行くことを決めました。ベトナムの孤児院で2週間活動した時に、あ、貧しいってのは、豊かじゃないってことじゃないんだっていう気づきがあったんです。たとえ親がいなくても、お金がなかったとしても、すごい人のつながりがあったりとか、支え合ったりとか、一緒にご飯を食べる人がいるとか。そういうのがすごくいいなと思って。

それで日本に帰ってきたときに、いやいや、日本はやばいぞと。日本の子どもは大丈夫かと思って。今でも鮮明に覚えているんだけど、ニュースで親をさすとかひきこもりとか自殺とか、特にその頃よく流れていて、ものすごいショックを受けたんです。まずは日本のことを私は知らなくちゃいけないと思って、日本のフリースクールのワークキャンプや塩尻の小学校を周るボランティアとかをやり始めました。それで、結局そういうところから日本の教育に関わりたいなっていう進路を決めたという課程がありますね。

―自分の軸が、原体験を通じてあるのがすばらしいですね。同じような思いがあって、教育者を志している人たちに届けたいコトバですね。

ありがとうございます。本当に、やんないとこんな風には思わなかったと思うんです。とりあえず動いてやってみて次に進む。やってみてそこで気づいて、その次に進んでを繰り返したことで、今につながっている気がしています。

―社会人の基本、PDCAみたいで(笑)、いいですね。

5. 社会への考えや価値観
だってひとつの場所へ行って、現地の生活やそこに住む人とも身近だし、プラス、一緒に働くメンバーが何カ国から来ているわけだから、2週間ってものすごいんですよ。それが今、学校とかで生徒と接している時に、軸になっていますね。何でも認められるし、違うからいいっていうか。違うほうがいいんだよっていうのがすごいわかるから、それを実感として持ちながら生きていられるっていうのはワークキャンプ後の人生において、楽な部分もつらい部分があるけれど、ずっと残るものだと思いますね。

―楽とつらいというのは?

例えば、どんな人に出会っても、この人はこういう生き方をしているんだなって、人に興味を持てたり、自分が他と同じじゃなくてもいいというスタンス、むしろ違う方がかっこいいんじゃないかっていう気持ちでいられる。それはとても楽。でもそれが社会の中だと、時に、いわゆる「社会人」として苦しいというか。

―生徒へも「みんな違っていいんだ」ということを伝えたりしているのですか?

私が働いているところは本当のフリースクールじゃなくて、通信制の高校のサポート校っていう位置づけなんですよね。だからちゃんと単位もとれるし、ちゃんと授業もやるけれども、普通の学校よりも授業の自由度とかはあって、もちろん授業の中でそういう話をすることもあるし、イベントとして色んな国に住んでいた人を呼んで話してもらったり。あとは休み時間を使って相談にくる生徒に話すひとつひとつが、そういう価値観とかの違いを知っているというのを軸に言葉を選んでいるかな。

6. その後の人生に活きた人脈
もちろん毎日話したりするわけではないですよ。日本に遊びに来た時に会ったりとか、逆に自分が海外へ行ったときに会ったりとか。なんか常に世界が身近というか。例えば、トルコで何かが起きましたという時に、他人事じゃないんですよ。知っている人がいればいるほどすべてのことが自分の事として考えられるんです。単純に、世界中に友達がいるっていうのが自分の支えだったり強さになっているかな。

夢や展望について教えてください。

夢や展望は、めちゃくちゃありますよ(笑)。

ワークキャンプがやっぱりものすごい楽しいというか、自分にとって非現実じゃなくて、逆にそっちのほうが現実だったんですよ。よく旅にでて戻ってくると、現実にもどちゃったってあるけれど、あたしは逆で、旅じゃなくてもいいんだけど、とても自分が生きやすかったりとか、呼吸しやすかったりとか、表現できている自分の方が現実だと感じるんです。そういうところに身を置いてみたいっていうのがあるから、もう一回世界を周ってみるというのが絶対やりたいこと。世界を知りたい、色んな人に出会ったり、色んな生活をしたいっていうのはもちろん、そういうのをいっぱいした上で、日本に帰ってきて、日本で、何か、をしたい。それが子どもに対して、助けることかもしれないし、全然違う環境かもしれないし、何か一本信念を持って、残りの生涯これを一生懸命やるんだっていうのを見つけて、取り組めたらいいなと思っています。

実は、3月で仕事をやめるんです、あたくし(笑)。タンザニアへ行けるかもしれない話があって。JICAの関係なんだけれど、協力隊ではなくて。2月の上旬に決まる予定なので、まだわからないんですけどね。今年は早速世界に旅立ち、夢を実現しに行ってきます(笑)。

他にはありますか?

暮らし方を、当たり前なんだけど、毎日、誰かと一緒にご飯を食べたりとか、集まる仲間がいたりとか場所があったりする環境にいつもいたいと思います。それはワークキャンプの中では当たり前のようにありますよね。毎日一緒にご飯を作って食べて、朝起きて、一緒に仕事をして、すごい自分に大きかった。ワークキャンプみたいな生活が自分もそうだし、周りの人達にも増えたらいいなって思いますね。

これからワークキャンプへ参加する、考えている人へのアドバイスをお願いします。

ワークキャンプへ行ったことがある人なら、迷ったら参加しなよ!っていうと思うんです。私もそう。参加したら自分の中の人生の色が倍になるよ!カラフルになるよ!って伝えたい。自分の暮らしの中の色が増えるというか。それはものすごい違うことだと思う。参加するかしないかで。その中の失敗とか不安とかは絶対あるけれど、それがないより、あって色が増える方が絶対楽しいと思います。

履歴書に書いてくれたメッセージにすごい共感しました。

そうです!それが全てです(笑)。失敗の後に、幸せってあるですよね。だから失敗を恐れず、参加してほしいなと思います。

2012年1月6日(金)@Skypeにて
聴き手:瀬口祐樹

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