植月綾子さんの履歴書。

2012/08/20

ワークキャンプが人生観に大きく影響。
植月綾子さんの履歴書。

名前
植月綾子さん
性別
女性
年代
23才(インタービュー当時)
属性
(株)イデアインターナショナル
参加国
マレーシア、ネパール

活動の満足度100%、やりがい度90%に込めた思いは?

やりがい度については、マレーシアとネパールの2か国行ったんですけど、もうちょっと事前準備や内容をしっかり詰めていけていたら現地で中身のある?ぎゅっと詰まった活動ができたんじゃないかなーというちょっとした反省点があるので-10%しました。ほんとうに今までしたことないことばかりだったので、やりがいっていう意味で個人的にはかなりあったと思いますね。

満足度100%は、色んなとらえ方があると思うんですけど、本当に普段いないような環境に行って、普段一緒に生活をしてないメンバーと一緒に生活をして、普段しないような活動だったり経験をして、自分のほしいところをピックアップして学べるのがワークキャンプだと思うんですよ。私は色んなところが学べたかなという意味で、本当によかったなって。大学生活の間に、こういうことができて本当によかったなと思うので、100%をつけました。

成長ダイアグラムについて教えてください。

1. 実務的な知識・スキル 4
英語という意味でいうと、NICE主催のワークキャンプだったので参加者は日本人と現地人だけだったんですよね。だから100%英語の環境ではなかったので伸びてないかな。

向こうで何が大変だったのかっていったら料理ですかね。料理はもともとぼちぼちしていたので、料理は急成長したなーというわけではなかったけれど、生活していくタフさっていうのかな。その力がついたので、高めの4としました。

2. 人と・社会とやっていく力 5
私が参加したのは東南アジアのワークキャンプだったので、生活環境はあんまりよろしくない感じだったんですよね。施設も整ってなかったり、お水も電気もままならなかったり…。その環境の中で、メンバーに対して優しくできるかとか気を遣えるかとか、そういうところで自分が試されていると思ったんです。意識的に相手を思いやれるようになったかなと思ったので5をつけました。

3. 自分でやっていける力 4
最初のマレーシアのワークキャンプが初海外だったんですよ。だから海外に行く準備、手続き、何をしなきゃいけないっていうのも自分で調べたり、人に聞いたりしなくちゃいけない。現地でも、身の回りのこととか、ワークキャンプ終わってから一人旅をしたので、意外と何とかしようと思えば何とかなるみたいのはわかったかな。でもみんなでお互いに助け合うってことがとても大切だと思ったので、4としました。

4. 進路・目標 4
直接的に現地でみつかったわけじゃないという意味で、満点じゃない4をつけました。ただその後の進路決定とか、考え方とかにけっこう大きな影響を与えたんじゃないかなと思ったので、高めにつけました。

5. 社会への考えや価値観 5
変わりましたね、やっぱり。履歴書にもちょっと書いたんですけど、ワークキャンプに行くまでは国内だけが当たり前で育ってきたんですけど、現地に行ったら、まぁ違う違うと思って。私がやっぱり一番印象に残ったのは、日本みたいにインフラが整っている国で自分たちは生活しているんですけど、現地はインフラの面でいったら日本より劣ってるんですけど、でもなんか現地の人たちは幸せそうだなと感じてたんですよね。やっぱり国とか文化とか社会によって、人によって感じる幸せって違うんだなって思ったんですよね。日本の常識にとらわれてなくてもいいんだって思えたんですよ。

―ワークキャンプとその後の人生に書いてある「今まで日本で感じていた幸せ」とあるけれど、どんなことが幸せだと思っていたの?

そのテーマは就職してからもずっと考えているんですけど、ワークキャンプ行った当時の考えを話すと、日本にいた時はそんな苦労をせずに生活できることとか、いい高校・大学・会社に入って安定することが幸せって思ってたんですよ。自分の身の回りの物がきちんとしていること、整っていることがいいんじゃないかなーと思ってたんですよ。

現地の人たちが感じている幸せって、聞けなかったんですけど、環境は整ってなくても、話す人、話す人みんなあったかくて、心にゆとりがあって、楽しそう幸せそうなんですよ。それで幸せってなんだろうって考えるようになって、もっと違う視点も持ち併せたいと思ったんです。だから「日本の常識は世界の非常識」を実感したんです。

6.その後の人生に活きた人脈 5
学内と友達やサークルの友達では持ってない考え方とか価値観を持っている人だったり、ワークキャンプを一緒に過ごして、この人とは何でも話せるなっていう人が何人かできたので、一生ものだなと感じたんです。仕事に対しても意識が高い人が多いので、5年後10年後に集まったらおもしろいだろうなっていう人達ばっかりなんですよ。

それがワークキャンプとその後の人生に書いてある「魅力的な友人との出会い」なんですね。ただここの「自分よりはるかに中身の優れた学生」とはどいうこと?

自分にないものっていう意味です。私今まで、これとはそれちゃうかもしれないんですけど、高校は進学校へ行って、国立の大学へ行ってっていうのが自分の中では、進むべきじゃないですけど、いいルートなんだろうなと思ってきたんです。このまま行ったら将来安泰じゃんっていう意識です。高校だったり大学だったりでテストで点数を取るための勉強をずっとやってきたんですよ。高校から大学にあがるときも、センター試験に通るためにとか、そいういう風に覚えた知識ってテストが終わったらすぐに忘れちゃうんですよ。私は覚える勉強、覚えて忘れるっていうスキルを今まで20数年間学んできたんですよ。これは今ものすごく後悔しています。社会に出た時に必要なスキルってそこじゃないですよね。むしろ自分でしっかり物事をとらえて自分で考えられるスキル。そういうスキルを持っている人という意味で「自分よりはるかに中身の優れた」と書きました。頭の回転が速くってスマートな人はいっぱいいるなって思いました。

今の植月さんはどう?そんなスマートな人に近づけていますか?

正直なところ社会人になってから考えるようになりました。1年前の自分と比べれば、できるようになったかなーっと。まだまだですけどね。今は販売の仕事をしているので、相手の気持ちを考えるようになりました。本もたくさん読むようになりました。最初は目の前にある仕事をこなすために、欲しい情報を得るために、営業やショップスタッフの本、販売の本とかを読んでいたんですよ。それがある程度できるようになってからは、考え方だったりとか将来に向けてとかちょっとジャンルを変えて読んだりしています。

ワークキャンプとその後の人生に書いてある「自分自身との出会い」について教えてください。「ここに価値がないと無意味だと考えた」とはどういうこと?これは先ほど話してくれた、優れた友達が持っているスキルのこと?

私自身の価値として強くしていきたいのは、先ほどの考え方もそうだし、創造性や作品性を創っていくセンスだったり感覚かな。ショップスタッフで販売をしていく中で、営業力?というか人の懐に入り込むスキルを強くしていけたらなーと思いました。ここで書いた価値自体の定義も、これから考えて理想に近づけていきたいですね。

植月さんの夢・展望を教えてください。

学生の時と社会時になってからでだいぶ考え方が変わったと思うんですけど、自分がどんな社会人になっていきたいのかなーというのを何回も考えました。その結果出てきたのは、自分自身に価値がある人間になりたいなーと思ったんです。会社名じゃなくて、自分自身の価値を伝えたいんです。「植月綾子」の価値。

大学までぽんぽんぽんっと来たんですけど、ある程度まで安定した環境にいるとなまけちゃうんですよ、私。肩書きに守られている環境からちょっと飛び出してみようと思って、自分っていうものに価値をつけていかないとダメなんじゃないかなーと思ったので、中小企業の道に進みました。今はここでしっかりがんばりたいですね。

あと、個人的なことになりますけど、絵を描いたり、デザインをしたりっていうのが自分の中では大きいんですよね。(振り返りノート:その時感じたことや夢を描きだしている植月さんのスペシャルノートを見ながら)すごい好きなんですよね。絵を描くこと自体が好きなんですけど、イラストってものを現段階でどう使っているかというと、人とつながる手段なんですよ。その人のイメージで絵を描いてプレゼントしたり、それでつながりが強くなったりとか、もっとしっかり話が聞きたいってなったりとか。これを今後どうやって使っていくか、仕事の中に組み込めたらと思っているんですけど、人生の先輩にアドバイスをもらいつつ、具体的にどうやってデザインとシゴトを結びつけていくかは考え中です。

最後にメッセージをお願いします。

大学に入るまで私がそうだったように、今まで自分がいた環境を当たり前だと思って過ごしてきていると思うので、それをちょっと角度を変えてみるっていうのが大事なんじゃないかなー。色んな見方が入ってくるんじゃないかなーと思いますね。色んな方にお勧めです。色々心配して立ち止まるよりも、行っちゃって現地で修正したらいいと思いますね。意外と行けちゃうもんだよって思いますしね。

語り手:植月綾子  聴き手:瀬口祐樹
2012年3月2日(金)

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