増井隆興さんの履歴書。

2012/08/20

「出会い」が多様な価値観を生む
増井隆興さんの履歴書。

名前
増井隆興さん
性別
男性
年代
30才(インタービュー当時)
属性
太鼓演奏者→商社
参加国
日本

満足度95%、やりがい度95%の数字に込めた思いは?

新潟県湯沢市の国際ワークキャンプでは、障がい者の方々が働かれている社会福祉施設で一緒に農業や炭作り、養鶏等の仕事を手伝ったり皆さんと交流の機会を持たせていただいたりしました。自分はそこでキャンプリーダーとして参加させて頂きました。キャンプリーダーは主に現地の共催団体や国内外から来るボランティアの調整役を担ったり、ワークキャンプの進行をしたりと色々とやることはあります。ただ、今となってはですけどね、もっともっとできたことがあったなぁと思います。

当時は自分も若かったもので、みんなでぎゃーぎゃー楽しんでいたところも多かったですから。共催団体や施設の方々へも、もぉちょっと手伝いできること、喜んでもらえることがあったかなとも思います。色々思い返せば正直95%って数字も高くつけすぎかとも思うんですが、そこは自分としての「楽しみ」の主観も大分盛らせていただいてますかね。なにせワークキャンプで得られるものはたくさんあります。という部分でこれから参加する人へは宣伝しなきゃいけませんので(笑)

成長ダイアグラムの各項目につけられた点数について、それぞれが増井さんのNICEにおける活動と絡んだどんな経験や思いに基づくものなのか、聞かせてください。

1. 実務的な知識・スキル 5
前職(和太鼓の公演での海外巡業)も、今の仕事(外資自動車部品の商社で営業)も、英語をよく使います。NICEの活動に参加している間にみるみる英語力がついたってわけではないけれど、参加をすることで、英語を話したい、自分とは違う言葉を話す人とコミュニケーションをとりたいという強い動機付けが生まれました。英語を学ぶモチベーションがぐっとあがったということですね。NICEの活動に参加してなかったら、外国の方と会う機会もなかったし、特別会いたいとも思わなかったかもしれません。

英語の勉強は英会話スクールでもらったCDを何回も何回も聞いて、音から覚えました。単純にリピートアフターミーですね(笑)。途中からスクールに通うことよりも、このCDが先生になっていました。CDで散々やって覚えて→ワークキャンプで使う。次はこのことについてもっと話せるようになろうって目標を定めて、勉強して、ワークキャンプの場で実践する。その繰り返しで、英語の能力はあがりましたね。

英語だけでなく、他の言語への興味も高まりました。海外へ行ったら、その国の言葉をなるべく覚えて使うようにしています。ちなみに僕のおススメは「旅の指さし会話帳」と「歩き方」です。言語に対する興味は、NICEを通じて培われましたね。

2. 人・社会とやっていく力 4
NICEの活動における社会との接点は非常に多いと言えるでしょう。 「社会的活動」が基本ですので。参加者の年代も時には高校生~定年後の方まで居られますし。それまでになかった幅の広い出会いが有り、関わりが生まれました。ただ、今思うと自分も「いわゆる学生のノリ」で参加している面もありましたので、「お客さん感覚」を大小持ちながら活動していたというところでは反省です。

3. 自分でやっていける力 5
当たり前ですが旅全体の計画を立てること、料理をすること、洗濯すること…。ワークキャンプでは参加を決めてから現地で活動をして戻ってくるまでの過程の中で、自分で考えて行動しなくてはならないことは多いです。自分で考えて動く能力は嫌でも上がります。でないと何も先に進まないので。また、行き先にもよりますが、ぼったくりは当たり前で、ニセ警官に騙されて金取られたこともありますし、命がヤバかったこともあります。地雷も踏みました。(嘘です(^^;))。そんなこんなで、旅先での様々な想定外の状況を乗り越えていくことで、鼻が利くようになるというか、勘が冴えるというか…。わかりますよね?まぁ雑に言うと、たいがいの事は「どうにかなるだろ」って気持ちになれました。

4. 進路・目標 5
大学は建築学科でしたが、「どうにかなるだろ」の精神で就職活動も特にせず、結果やりたいことに進みました。何かしら世界とつながることや、英語を使った仕事に就きたいとぼんやりと考えていました。そんな大学3年の夏、ワークキャンプと旅行を兼ねて行ったトルコから帰国後、たまたまふらっと立ち寄った夜祭で和太鼓の演奏を目にして感動し、その時感じたあまりの気持ちよさに、直感で「これをやろう!」と決めました。

卒業論文を提出した直後、卒業式すら待たずにすぐに和太鼓の世界の門を叩きました。年に半年以上の間、文字通り海外を飛び回りながら和太鼓の舞台公演を行っている団体に入団させて頂きました。もちろん専業ですよ。それから辞めるまでの6年間のあいだ、演者の一人として大体35カ国、1000回以上くらいですかね(?)舞台作りに参加させて頂きました。その経験はその後の人生に色濃く生きています。

5. 社会への考えや価値観 4
友達づくり、国際交流、旅の中での自分の成長、だいたいこんな動機でワークキャンプには参加しておりました。「ボランティア活動」という大義はどちらかというと二の次というか、ついでというか…この発言はカットですね(笑)。ただ、動機のしっかりしている人から見たら順番が逆かとは思いますが、参加していくたびに次第と社会的に問題と言われる様な事に関しての「問題意識」は次々芽生えてきました。何事も「知ることから」でしょうか。自分にはこのようなステップだったんだと思います。

6. その後の人生に生きた人脈 5
NICEで知り合った人は大体濃く、そして半分は国籍もバラバラ。いまとなっては海外の友人とはほとんど連絡を取る事も無いです。ただ、自慢じゃございませんが、いざ彼らの国に遊びに行く際にはだいたいそこらを渡り歩いて、ホテルには困ったことが無いです(笑)。NICEの経験、集約すると、出会いこそ全てですね。

今後の夢や展望は?

夢~ないですね、いまのところ(笑)。ただ、誰かに喜んで頂けることをやっていき続けられる人生でありたいとは思っています。前職(和太鼓)も、現在の仕事(営業)も、根本動機は同じ思いで取り組んでいるつもりですので。

最後に、メッセージをお願いします。

「これもなにかのご縁ですから」ということだと思います。知ってしまったことが始まりですから。あとはやった後でいくらでも後悔?したらいいと思います。やらないで後悔するよりよっぽどいいと断言します。

ただ、一度参加してしまうと「いやぁ、なんとなく終わっちゃいました」なんてことはありえません。自分の殻をどんどん破って思いの丈「行動」起こしてください。

2012年5月8日(火)@スカイプ

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