豊永はるかさんの履歴書。

2012/08/20

他人に対する想像力。
豊永はるかさんの履歴書。

名前
豊永はるかさん
性別
女性
年代
28才(インタービュー当時)
属性
学生ボランティアセンター
参加国
フランス、エストニア、日本

NICEとの出会いを教えてください。

フランスとエストニアの国際ワークキャンプは別団体から参加していました。帰国後、日本国内で国際ワークキャンプのような活動ができないかと考えていた時に、フランスで一緒だった日本人の友達に会ったんです。その子に「日本でもできないかな」と話をしたら、国内の活動ならNICEが力をいれているよと教えてくれたんです。それでHPを確認して、参加を決めました。

ワークキャンプの満足度と活動のやりがい度についてお聞きします。それぞれの数字に込めた思いは?

まず、フランスの満足度と活動のやりがい度を90%としたのは、初めての経験で、何もかもが楽しかったんです。400年前に建てられたレンガ造りの建物を修復したんですが、修復に取り組めば取り組むほど、どんどんきれいになっていくんですよね。そうやって頑張った分の成果が目に見えると、やりがいも感じますし、ここまでやったぞ!という満足感も得られました。とてもハードなワークキャンプで、朝の8時から夕方4時まで、土曜日も活動しましたし、雨が降っても関係なかったですね(笑)。残り10%を取っておいたのは、ハジメテの経験だったので尻込みをしてしまったんです。もっと積極的に色々やっておけばよかったなという思いが残ったので90%としました。

エストニアのワークは、草刈や幼稚園児を集めて運動会を開催等、楽しかったんですがやったぞ!という達成感を持てませんでした。ワーク自体があまりなかったのが大きいですね。エストニアがどこかも知らない私が、ロシアとラトビアの国境にある小さな町に行けたことは嬉しかったです。ただどうしてもフランスの経験とで比べてしまうので、評価は低くなってしまいました。

愛知県豊田市のワークキャンプは、万博に向けてのものでした。間伐したり、遊歩道を作ったりとこちらも成果が目に見えたのでやりがいを感じましたね。また、このワークキャンプではグループリーダーを経験しました。初めて、NICEの活動に参加するにも関わらず、新宿で開催されたオリエンテーションでグループリーダーを頼みますと言われて(笑)。職員のおっきー(元職員、沖野)やえいじさん(現事務局長、上田英司)を中心に、共催団体の人と活動しました。

新潟県南魚沼は、リーダーとして参加しました。山小屋に泊まりながら、高原植物を保護するワークや小中学校での環境教育など、とても楽しかったです。ワークもハードでした。やりがいもあるし、充実していたのですが、リーダーとしてもうちょっとできたことがあったかなと思ったので、満足度を70%としました。ここのワークキャンプはすでにハッピーエンディングとなりましたが、今でも共催団体の方とやり取りがありますし、一度、山へ登りに帰ったりもしました。

日本の国際ワークキャンプでNICEと出会い、その後NICEの専従職員として働いていた豊永さん。専従職員になろうと思ったのは?

リーダーまで務めると、よりワークキャンプの楽しさを感じました。大学4年生になり、就職活動をしながら、やっぱりワークキャンプに携わっていたいなと思ったんです。最初は中長期ボランティアで、インドの現地調整員になるつもりでした。ただ家族に話をしたら反対されたんですね。現場に関わっていたいのはわかるけれど、大学院生として研究とか違う道があるんじゃないかって。現地調整員はおこずかいはもらえるけれど、自立していけるわけじゃないから、どうしようかと悩んでいたんです。そんな気持ちで、一応内定を頂いた会社で働くつもりだった3月に、NICEの専従職員を募集していることを知り、これなら自立できるし、ワークキャンプにも関われるし、これしかない!と思って選考を受けました。3月25日にOKをもらって、4月から働き始めたので、土壇場人生ですね(笑)。

NICEを通じて身に付いた力について教えてください。

のこぎりの使い方から、英語力、違うバックグランドの人達とのコミュニケーション力…NICEを通じて得られるものは、大方得ている気がしています。特にコミュニケーション力は磨かれましたね。色んな国の人、日本人同士でも全く違う考えを持っている人、本当に様々な人と出会う場がNICEにはありました。様々な人がいるということを知っていると知らないでは、社会へのまなざしが違うと思います。違うことを自然に受けいれられるようになるというのは、とても大きいことですよね。

あととても単純なことだけど、航空券を買うとかビザを自分で取得するとか、何かをやろうと思った時に、自分で何でもしようとする力を持つメンバーがNICEにはいました。私もその人たちと一緒に活動してきたので、自分でやっていく力はついてきたと思います。

進路・目標については、言わずもがなですね。NICEで働かせていただきましたし、今度から働く学生ボランティアセンター(通称:ガクボ)にもつながっています。

学生ボランティア団体の運営に役立つ、各種セミナーや相談を行っているセンターですよね。金融業界で働いた直後に、ガクボに転職されたようですが、何か感じることがあったんですか?

そうですね。やはり社会的な仕事への思い入れが強かったんだと思います。海外でのびのびした生活がしたいなと思って、準備期間として金融業界で働きましたけれど、家庭の事情で東京にいることになったんです。この時していた仕事の内容は部内で完結するものでした。判子が斜めになっているだけでダメだしされたり、すぐそこにいる人とメールでやりとりしたり、なんだかぐっと世界が狭まってしまったんです。もっと色んな立場の人と関わった仕事をしていきたいと思いましたし、NICEで培った「他者に対する想像力」を学生に持ってもらいたいと考えるようになったのもきっかけですかね。

今後の夢や展望は?

模索中です。ガクボとしては、海外のプロジェクトに取り組んでいきたいですね。ワークキャンプの要素も取り組めたらと考えています。

後は、他者に対する想像力を身に付けられる場づくりをどんどんしていきたいですね。色々なバックグランドを持つ人と出会う場があれば、他者を思いやる心を養えると思うんです。そうやってみんながその心を身に付ければ、社会的弱者と呼ばれるような人やマイノリティーの人もみんなが幸せに暮らせるんじゃないかって思います。

最後にメッセージをお願いします。

履歴書にもかきましたが、色んな人に出会うっていうのが大事だと思うんです。違うバックグランドを持つ人と、普通に話をするだけでも、刺激になると思うんです。人に会う中で知ったことに関連する本を読んだり、調べたりすることも大切だと思います。

2012年5月21日(月)@外苑前

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