西川留美加さんの履歴書。

2012/08/20

言語教育を専門に勉強中!
西川留美加さんの履歴書。

名前
西川留美加さん
性別
女性
年代
36才(インタービュー当時)
属性
日本語教師、留学中
参加国
オランダ、韓国

NICEをどのように知ったのですか?

イギリスとオランダへ、夏休みに海外旅行へ行くことは決まっていて、ただ旅行をするだけじゃ面白くないなと思っていました。そんな時、「国際派就職辞典」という雑誌を見つけたんです。当時、NICEはドゥー地球学園と一緒に活動していたと思うのですが、その雑誌に特集記事が載っていたんです。それを読んですぐに事務所へ電話をかけました。電話で説明会があるから来てみないかと誘われ、参加をしたのがきっかけですね。かいさん(NICE代表の開澤真一郎)とこばさん(NICE元事務局長、小林和彦さん)がいました。

満足度70%、活動やりがい度95%の数字に込めた思いは?

オランダについてお話すると、現地の受入れ団体や活動の内容はとてもよかったのですが、英語で意思疎通が取れなかったり、活動中落ち込んだりしたこともあって、自分自身への満足度が低かったので、この数字をつけました。

韓国については、イギリス語学留学後だったので、英語でコミュニケーションをとることはできました。ただ、日本語や英語を教えるワークだったのですが、教えることが上手くできなかったんです。日本語教師能力試験の勉強をしていたので理論的なことや文法などは知っていましたが、実際教えたことは無かったので教案の書き方や教え方等も分からないことが多く、思うように教えられなくて、自信喪失した部分もありました。やりがいはあったけれど、中長期でも自分自身が出来ないことが多かったので、満足度は70%と低めにつけました。プログラムの内容や受け入れ団体はとてもよく、そういう意味では満足度は100%でした。

成長ダイアグラムの各項目につけられた点数について、それぞれが西川さんのNICEにおける活動と絡んだどんな経験や思いに基づくものなのか、聞かせてください。

1) 実務的な知識・スキル 4
ワークキャンプも中長期ボランティアも、言葉を話す機会が多かったので、語学力は少し磨かれたきがします。オランダでは森林局の人と一緒に活動をしていたので、環境に関する知識が深まりました。また現地の人と交流するためのゲームも企画されていて、アイスブレイクはたくさん覚えられました。

韓国ではもっと得るものがありました。文部省のカリキュラムとは別なオルタナティブ教育を実践している学校で活動したのですが、その学校はシルサン寺というお寺が母体となっていて、そこにはたくさんのNPOが集まっていました。帰農学校(農業を学習する学校)、女性に関する団体、環境の団体等、様々な活動への参加を通じて知識を深めることができました。また、日本語教師の試験に合格してから(就職の際は試験合格者、420時間の養成講座修了者、大学で日本語教育専攻のどれかに該当していることが求められます)初めての実践だったので、教えるスキルも少しは身につきました。

2) 人・社会とやっていく力 4
英語が出来ないなりにも、2週間一緒に暮らしていくうちに、言葉だけじゃないコミュニケーションがとれるようになりました。またNICE事務局や韓国のオルタナティブ学校では、様々なバックグランドを持つ人と出会いました。その人たちと一緒に何かをやっていくことはできるようになったかなと思ったので4をつけました。

3) 自分でやっていける力 4
どんな活動をするにしても、自分で考えて実際にやってみることが求められるので自分でやっていける力はついたかなと思います。ただ自分のできなささも感じましたね。オランダでは英語が、韓国では教えるということが出来なさすぎて凹みました(笑)。でもその落ち込みが、次のステップアップへ繋がる原動力になりました。

5) 社会への考えや価値観 4
劇的に変わったわけではないですが、オランダから始まったNICEでの活動や留学を通じて、色々な国の人や様々なバックグランドを持つ日本の人と接する機会が多かったので、色んな角度で自分の文化も他文化も見られるようになったと思います

6) その後の人生に活きた人脈 4
友達という意味では、とても広がりました。ワークキャンプに参加していたメンバーもですけど、中長期で活動していた学校の生徒や親御さんともいまだにやり取りがあります。

4) 進路・目標 5
最初はNGO職員になりたいと思っていたんです。だからNICE事務局のボランティアスタッフを2年間しながら色々勉強させてもらったのですが、ボランティアスタッフをやっているうちに、自分はいろいろなことを同時にやれる器用な性格ではないので、何か専門にできることを身につけたいと思うようになったのです。ボランティアと仕事との曖昧な部分が見えたりして難しさも感じていたので、専門がないと、どこへ向かっていいか分からくなってしまうように感じたのです。自分の専門があれば、もっと具体的なことが出来るのではないかと思ったんですね。大学の専攻が外国語だったので、大学で学んできたことと、留学経験、NICEで積んだ経験などを生かせることって何だろうと考えた時に、日本語教師につながりました。

日本語教師の試験に合格はしたものの、実際にこれを仕事にしてくのかはまだ悩んでいました。そんな時に韓国の中長期ボランティアに参加して、実際に教えてみて、自分のできないところが分かって、もっとやりたい、この仕事を深めていきたいと考えるようになりました。日本語教師になるのであれば、日本で経験を積むことが大切だと聞いていたので、日本に戻って5年間、語学学校で教えたり、外資系の会社員、そのご家族に日本語を教えたりして日本語教師の経験を積みました。

同時に、日本語だけでなく、英語の教育にも興味・関心を持っていました。韓国ではイギリスから来たボランティアのアシスタントとして授業を運営したり、ユネスコのワークキャンプでは10代の子どもたちに英語を教えたりしました。英語を教えるのであれば、ちゃんとした知識、スキルを磨きたいので、日本語教師としての経験が積めたら、留学をしようと決めていました。それでイギリスに来て応用言語学を学んでいます。今は留学2年目で、もうすぐ卒業となります。

今後の夢や展望は?

長いスパンでは、日本語だけでなく外国語教育に関わっていきたいですね。短いスパンでは、来年の1月から中長期ボランティアに再び参加したいと考えています。ベトナムやタイのプロジェクトが良いかなと考えています。友達もいるので、その子たちに会いつつ、活動で来たら嬉しいですね。

最後に、メッセージをお願いします。

行く前に色々心配するのではなく、行ってから経験を通じて考えたらいいと思います。失敗も含め、よい経験になると思いますよ。自分の無力さを感じさせられたり、落ち込んだりすることもあると思うけれど、できないってことが分かるだけでもすごい成果だと思います。次のステップアップのきっかけになるかもしれません。社会人になってしまうとなかなか時間に余裕がないので、大学の時、時間が思いっきりある時に参加してほしいなと思います。

この間、ウガンダで英語教育に携わっている教育者&リサーチャーであるボニー ノートン博士の「Identity と言語教育」についてのセミナーを聞いてとても刺激を受けました。

講義のビデオが見られるリンクを貼付けておきますので、これから言語教育関連の活動に行く人は是非チェックしてみてください!

ビデオのリンク
http://iatefl.britishcouncil.org/2009/sessions/63/plenary-session-bonny-norton
ボニーノートンのHP
http://educ.ubc.ca/faculty/norton/

2012年5月22日(火)9:00@Skype

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