中山章広さんの履歴書。

2012/09/24

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国内の国際ワークキャンプ3か所(二風谷、大東、高知)と日本各地の週末ワークキャンプに多数参加されている、中山章広さんにお話をお伺いしました。


満足度80%と活動のやりがい度80%の数字に込めた思いは?
今思うと、もっと自分次第で出来たことがあったと思うので80%としました。例えば、もっと英語でコミュニケーションできたら、参加者と色んな話が出来たでしょうし、友達ももっと増えたりしたと思うんです。ボランティア活動って自発的に関わるものですが、国際ワークキャンプに参加していた当時の自分は、自発性が弱かったなと思います。もっと積極的に取り組んでいたら、今の自分や将来の自分にもっと役に立つことが身についたと思うんです。そういう意味で、100%ではなく、80%としました。

現在もずっと週末ワークキャンプに関わり続けている中山さん。週末ワークキャンプの魅力を教えてください。
まず気軽に参加できることですよね。「週末」ワークキャンプなので、土日の休みに参加できます。また同じ地域にずっと長く関われるのも大きいです。1年に1度開催される国際ワークキャンプとは違い、週末ワークキャンプは年に何回も開催されます。僕の場合は、はぴちるでリーダーを務めたのですが、リーダーになると受入れ団体との調整や参加者とのやり取りなど、より深く地域や活動に関わることができます。深く長く関われば関わるほど絆は深まりますし、地域の人にも受け入れてもらえるようになります。つい先月、岐阜県高山市高根で開催された収穫祭に参加してきたのですが、もうかれこれ10年のお付き合いになりますよ。第2の故郷が日本各地にできました。

そんなワークキャンプで得た力について教えてください(成長ダイアグラム)。
1)実務的な知識・スキルは、直接今の仕事に活きているかという視点で考えると4ですね。もちろん間接的な影響は受けていると思います。例えば、国際ワークキャンプでは限られた調理道具、材料・調味料でご飯を作ることが多いのですが、レシピ通りの物が無くても、意外とおいしかったりするんです。もちろんその場の雰囲気や一緒に食べる人がいるっていうのも大きいかもしれませんが、限られたもので最大限の美味しいものを作る技を身に付けました。

2)人・社会とやっていく力、3)自分でやっていける力については、国際ワークキャンプは人と一緒に作業することなので、自分の能力や度胸が試されます。例えば日本語が全く通じない人と英語でコミュニケーションをとったり、一緒に生活をしたりする中で、2)や3)の力は確実に鍛えられていきますよ。特に大東の国際ワークキャンプはサブリーダーを務めたので、自分の力やグループをまとめる力を試されましたね。(英語でのコミュニケーションがうまく取れなくて、とても苦労しましたが、それもいい経験だったと思います。)

4)進路・目標
僕が参加した国際ワークキャンプは環境に関するものでした。直接山に入って仕事をしているわけでもないので(笑)、4ですね。

6)に関しては、6点をつけたいですね(笑)。ワークキャンプを通じて出会った友達とはもちろん今でもつながっていますし、その友達からまた新しい人を繋いでもらったり、新しい活動に誘ってもらったりして、自分の輪がぐっと広がりました。みんな仕事はばらばらですから、全然違う人と繋がれるのが面白いですね。縁が縁をよぶのが面白いです。

中山さんの人生についてお聞かせください。就職活動を突然辞めて、青春18切符で旅に出ようと思ったのはなぜですか?
就職活動にずっと違和感を持っていたのと、就職先もずっと決まらなかったので、4回生の夏前にきっぱりやめました。それまで一人旅をしたことなんかなかったんですが、なぜか無性に旅に出たくなったんです。それで青春18切符を購入して、北海道へ行くことにしました。電車の旅は自由が利かず、北海道をあまり満喫することができなかったので、来年はお金を貯めてバイクで旅をしてやるぞと思いました。ちょうどこのタイミングで、友達からNICEのことを教えてもらいました。大学生活もあと少しで、もうすぐぷー太郎になる自分に、友達は何か新たな目標を持ってもらいたかったんでしょうね。バイクで北海道の旅をすることは決めていたので、そのついでに北海道の国際ワークキャンプに参加することにしました。ここから4年ほどは、アルバイトをしてお金を貯めて、国際や週末ワークキャンプに参加する生活が続いていました。もちろんこの間、色々なやってみたいことはできたのですが、どれも自分にフィットしなくて、人生を模索していました。

そうだったんですね。その模索期間後、パティシエや料理の道に進むことになったのは何かきっかけがあったのですか?
今振り返ると、料理の面白さを感じたのは、大学時代のレストランでのアルバイトですね。でも特に仕事にしようとは考えてはいませんでした。甘いものもとても好きで、北海道で旅をしている最中にもたくさんの甘いものを堪能しました。それを見たユースホステルの方が、「そんなに甘いものが好きなら、パティシエになれば?」と言ってくれたんです。自分でお菓子を作る道もあるんだなと思いました。北海道の旅が終わり実家へ帰ったら、たまたま実家の電子レンジがオーブンに変わっていたんです。なんというタイミング(笑)。オーブンになったらお菓子を焼けるので、僕のお菓子作りがスタートしました。それから神戸のパティシエになるまでには4年の時間がかかったんですが、晴れてアルバイトで入ったお菓子屋さんで正社員になることができました。元々は製菓の学校へ行こうと思っていたので、修行をしながら働けるなら一石二鳥だ!と思い、そのまま社員になることにしました。ただ残念ながら身体を悪くしてしまったため、パティシエの仕事を続けられなくなりました。それで近所の商社に勤めたのですが、やっぱり料理に関わっていきたいと思い、栄養士の資格を取得しました。今は病院の厨房で、調整役の仕事をしています。

今後の夢や展望は??
自分のテーマやずっとやってきたことが料理とお菓子なので、これからもこの分野に関わっていきたいです。今日35歳を迎えて(おめでとうございます♪)、30代後半に突入したんですが、自分の中に蓄積した知識や技術を形にする時期かなと思っています。その形にする方法が、お店を持つことなのか、どこかに所属することなのか、方法を考え始めたところです。どんな形であれ、身体にいいお菓子を作りたいと思っています。病院で働いても感じるのですが、最近アレルギーを持つ人がものすごく増えています。食べることって寝ることと同様、単純に幸せじゃないですか。そんな幸せを、自分の作ったお菓子や料理で感じてもらえたらいいなと思っています。

最後にメッセージをお願いします。
偉そうなことは言えませんが、失敗しまくってほしいと思います。何かを始める時は、怖いですよね。でも失敗を怖がっても結局失敗するんですから、自分からぶつかって失敗をしてほしいと思います。僕が大学の時に就職活動が上手くいって、普通の企業へ入っていたら、こんな風に語れる人にはならなかったと思います。失敗したからこそ、寄り道をしたからこそ、今語れることがたくさんあります。そういう意味で、失敗を恐れず、挑戦してみて下さい。

中山章広さん
2012年9月14日(金)19:00-@スカイプ