国内・海外ボランティア活動を行う
国際ボランティアNGO NICE(ナイス)は
1990年の設立。国内・海外約90か国で
ワークキャンプ等の各種事業を行います。
●新型コロナウイルスに対する、NICEの基本ビジョンと対応方針
●ウクライナと世界の平和を強く求める、緊急声明とアクション
- 国際ボランティアNGOのNICE トップ>
- 国際ワークキャンプってなに?>
- 各事業活動・成果報告>
- ワークキャンプ わたしの履歴書>
- 田崎裕児さんの履歴書。
田崎裕児さんの履歴書。
2012/10/01
田崎裕児さんの履歴書はこちらをご覧ください。
活動の満足度100%、やりがい度80%の数字に込めた思いは?
活動自体は何を持って100%とするのかわからなかったので、やりがい度は80%としました。活動が本当に地域にとって必要なことなのかが見えない部分もあったので、少し低くつけただけで、深い意味はないですね。ただ後で生きているとか、振り返ってみてあの時間はよかったなと思えるという意味では、満足度100%だったかなと。トルコとギリシャを合わせてね。
そもそもNICEを知ったのは?
姉が参加していたんですね。詳しい話はきかなかったけれども、2週間チェコに行っていて、なんかおもしろそうだなって思っていたんです。それで普通とは違う旅行がしたかったから参加しようと思ったんですね。観光地以外のところに安く長く滞在したかったのも大きいです。
成長ダイアグラムについて教えてください。
この成長ダイアグラムはギリシャの経験をもとにつけました。
1) 実務的な知識・スキル 2
実務的っていうと今の自分がお金を稼いでいる仕事という意味でとらえました。正直生きていないかなと。ただスコップの使い方は、とってもうまくなりましたよ(笑)。ねらった所にさして、土をかきだせますからね。
2) 人・社会とやっていく力 4
国際に限らず、どのワークキャンプにも色んな人がくるので、どうしても大学時代とかだと同じ人で固まってしまう傾向がありますよね。会社も案外そうなんですけどね。そういう意味で、本当に色んな人の中でちゃんとコミュニケーションをとっていけていたので4くらいの力はついたかなと。背景がバラバラな人がワークキャンプには集まってきますからね。そこはなかなかありそうでない体験ができたと思います。
3) 自分でやっていける力 4
ワークキャンプは現地集合且つ、詳しい情報を行く前に得られないことが多かったりするので、そういう環境でも、なんとかなった!っていう、やればできるって気持ちにさせてくれたので4をつけました。
現地集合現地解散に不安を持つ方もいらっしゃるのですが、ちなみにどう乗り越えたんですか?
僕の場合は、「旅の恥は掻き捨て」の反対だよね。「故郷の恥は掻き捨て」じゃないけど、海外へ行っちゃったら、何でも、いざとなったらやってやるっという根拠のない自信がでてくるんだよね。困ったら交番に走ったり、人に聞いたりすればいいんだろうって。日本じゃ恥ずかしくてできないことも、海外だとなんだか、できちゃうんですよ。もちろんできる準備はしていきますけど、この根拠のない自信、開き直りっていうのかな?も不安を乗り越える時には必要だと思います。
4) 進路・目標 4
現在進行形で、これがって言われれば難しいんだけれど、原体験っていう意味では影響を受けたかなと。色んな国から集まった人達で、楽しく気持ちよく空間を創り上げていくっていう経験は、将来まで引きずりそうだなっと思って。
5) 社会への考えや価値観 5
就職活動を体験した後にギリシャへ行ったんですね。ただ終わったとは言え、システムとか、なんていうのかな、みんなが同じ服着て、面接へ行って、会社に人生を決められるっていう雰囲気があって、すごい違和感を感じていたんです。自分はこれで大丈夫なのか、自分自身もだし、社会もだし。そういうモヤモヤしたまま就職活動が終わっていたんですね。そのまま海外へ飛び込んだんですけど、ギリシャで会った方々は色んな価値観を持って、日本みたいに縛られていなかったんです。世界に視点を移せば、色んな生き方があるんだから、居場所はどこにでもあるんだろうって感じたんです。だから今このまま進んでも、いつでも世界のどこかには帰る場所があるんだって気持ちになれたのは大きかったんです。
6) その後の人生に生きた人脈 4
当然SNSで繋がれているってのもあります。直接会うことはなかなかできなかったりするんですけど、でもワークキャンプを体験した人と、NICEを通じて知り合えたりとか、そういう背景を持っているからこそ、NICEとは関係ないところで色んな活動をしている人たちと出会えたりとか、普段会社では会えない人と会えているっていうのを突き詰めていくと、やっぱり自分がこのワークキャンプを体験したからこの人たちと出会えているんだなっていう人脈がたくさんあるので4としました。はっきり言って、今の僕の、会社や大学時代に関係ない友達っていうと、多分NICEやってないと全員会ってないなって思うんです。将来この人たちと繋がっていきたいっていうメンバーもその中にいるから、4だけど5に近いくらいのものをもらいましたね。ただもっと繋がりたいって意味で一つ下げました。
国際ワークキャンプ@トルコに初めて参加されて、その後NICEの活動に継続的に関わろうと思ったのはなぜですか?行って終わりになってしまう人も多いんですよね。
みなさんもぜひ体験してほしいなって単純に思ったからですね。結構ね、海外旅行へ行かない人っているんですよね。でも行ったら案外はまる人ってもっと多いんですよ。トルコへ行くって話をした時、なんで行くんだ?って怪訝な顔をした友人がいたんですけど、そいつも1年後に海外へ出て、それからはまってバックパッカーで世界を回っていましたからね。やっぱり一回飛び込んでみないと、その魅力ってわからないですよね?老婆心があって(笑)。大学時代は、他のNICEのアクティブメンバーと一緒に説明会などを企画しました。
学生時代は活発に動いていた人も、社会人になるとご無沙汰になっていく人が多い中、なぜ田崎さんは広報チームや社会人チーム等で活動を継続されていたのですか?
デザインとか広報っていう、何も知らない人にアピールする仕事は、社会人1年目が終わったころの自分にはなかったんです。そういうスキルを身につけたかったというのも、広報チームに関わっていた理由ですね。当然僕は就職活動で人生を決めたと思ってないから、これからどう将来進んでいくか決めてないのに、アピールする力がないのはもったいないなと思って。会社でつけられないのであれば、違う場所で学びながら付けていこうと思ったのがきっかけかなぁ。単純に世界が狭くなる恐怖心もあったかな。
それで外へのアピールを始めてみると、NICE=学生、元気な雰囲気=学生みたいな誤解が多かったんですよ。なんでなんだろうって広報チームのメンバーと話し合って、社会人には事情があるんだけれど、もっと週末ワークキャンプとか、社会人向けにすごい価値、潜在ニーズっていうのかな、やってみたらはまるとか、活動してみたら生活が潤うっていうのが社会人だからこそあるんじゃないかって。それで僕が社会人向けに特化した広報チームって形で始めたんです。それが今の社会人チームの原型。
そうなんですね。今は働き方を考えるワークスタイル合宿等を中心に活動されていますが、なぜこの合宿やイベントを企画しようと思ったのですか?
社会人向けの広報を続けていくと、どんどん社会人の参加が増えていったんですね。今では週末ワークキャンプに参加する人の6割が社会人になりました。それで、社会人と学生が混在して、しかも同じ土俵に立って活動できる場ってすごい魅力なんじゃないかって考えたんです。当時学生だった子をつかまえて、社会人と学生を合わせる場を創っていくことにしました。でもただ合わせる、飲み会をするのでは意味がないから、お互いが考えている心の内をぶつけ合える場を創ろうってなったんです。語る場所っていう位置づけで開催したのが、ワークスタイル合宿の最初。就職活動って必ず上下関係ができるじゃないですか。アドバイスする社会人と、それを聴く学生って。そうじゃなくて本音で、且つ同じ土俵でおもいをぶつけあえる場を創ろうと思ったんですよ。合宿は通算6回とイベントも5回かな。企画しました。細々ですが、これからも活動は続けていこうと思います。
ギリシャのワークキャンプで「色んな生き方があっていいんだ」と気付き、就職活動で内定を得た会社で8年間働いていたんですよね。その間、社会人チームで働き方についてとことん考えてきたと思うのですが、ご自身も今年転職をされたんですよね。それはどんな考えがあってそうしたのですか?
働き方には多様性が必要だと思っていて、特に僕の年齢になると、子どもを連れた同級生とかたくさんでてきているし、組織の中で必ず出勤して働く以外の働き方を認めないと、ライフの部分の生活の質が保てない、充実しないなって感じたんです。且つ、僕はITの世界に入っているので言いますけど、ぶっちゃけ、在宅ワークなんて今の技術があればできるんですよ。できるけど、文化として根付かないんだよね。なんでかっていうと、やっぱり多様性が認められない社会が根底にあると感じているんです。こうあるべきだ、こうでなければいけないっていうのがすごい強いんだろうなって。だからIT、普通の会社員の部分と多様性を認めていく、多様性が幸せにつながるんだっていうのを別々に活動してきたけれど、もうそろそろ、平行線を混じわせて行く時期ではないかと。
もうひとつ、若者の就職内定率が下がったとか就職氷河期とかいう言葉を聞くけれど、それって一つの組織に属してそこからのみ収入を得るっていう数字ですよね?でも生き方によっては、収入源が複数あってもいいと考えていて、所属せずに、色んな所から仕事を請け負うこともあっていいと思うのですよね。今のネットやITの力を活用すれば、そういう働き方がもっと広がってもいいと思うんです。後はちょっとしたルールとか文化とかを作る必要はありますけど。そういう多様な働き方がもっと広がるためには、端末やITがもっと使いやすく、広がって行く必要があると感じたんです。それで、デバイス(端末)の開発に自分が関わることで、働き方を模索している人たちのサポートができたらいいなっと思って、転職をすることにしました。今度の仕事は、タブレットとかのデバイス(端末)の開発に携わります。シゴトを増やす仕事になったらいいな。
今後の夢や展望は?
正直どうなるかわからないし、全然関係ない仕事に変わるかもしれないけれど、どんなことをするにしても結局多様性を認めていくっていうところはワークキャンプで感じた経験からずっと自分の中で方向性としてはあるので、いかに今まで持っているもの、こうじゃなきゃいけないという固定観念を捨てる勇気を持つ、感覚を持つ人が増やす活動を続けていきたいなと思っています。幸せな形は人それぞれなんで、色んな生き方・働き方が認められないと、幸せになれないですよね。いつか「あなたは何者ですか」「あなたの所属は」、答え「会社員です」「学生です」という会話が、「あなたは何を楽しみにいきているんですか」「どんなことを楽しんでいるんですか」という会話にしたいですね。それってidentityの多様性が認められたら、人が最初に会う時にでてくる会話になりますよね。
最後にメッセージをお願いします。
そうだな、ITの世界は常にアップデートしているわけね。バージョンアップ。何をアップデートするかっていうと、今まで自分が当たり前だと思っていたこと、常識だと思っていたことを変えていくんですよ。こうしなきゃいけないっていうものは、本当はそんなにないんですよね。自分にもまだあるんですけど、自分の固定されたものをどんどん壊していく、アップデートしながら自分の筋を見つけていく人が幸せになる時代だと思うんですよ。色んな場で、色んな人と語りあって、自分の常識を壊していく経験をどんどんしてほしいと思います。ワークキャンプはその経験をしやすい、一個の方法だと思います。
ワークスタイル合宿は、2012年12月中にやりたいと思っているんで、詳細はまた後日。ぜひ参加して議論を交わしましょう。
座右の銘、補足
キャッチボールが人間関係の基本だと思っているんですよ。野球がうまい人は、相手のとりやすいところ、投げやすいところに投げるんですよ。キャッチボールって投げた人がボールを取りにいくんじゃなくて、失敗した時も受ける側が取りにいくんですよね。特に送球を失敗した時は、相手が走ってボールを追いかける。そうやって失敗をフォローしていく、相手が次にこういう行動をとるから、ここにボールを投げるっていうのはコミュニケーションの基本ですよ。コミュニケーションが充実していけば、まずは身近な人間関係もよくなり、次は社会が、次は世界がよくなっていくんじゃないかと思ったので、「キャッチボールは世界を救う」としました。
田崎裕児さん
2012年4月26日(木)@NICEオフィス
活動の満足度100%、やりがい度80%の数字に込めた思いは?
活動自体は何を持って100%とするのかわからなかったので、やりがい度は80%としました。活動が本当に地域にとって必要なことなのかが見えない部分もあったので、少し低くつけただけで、深い意味はないですね。ただ後で生きているとか、振り返ってみてあの時間はよかったなと思えるという意味では、満足度100%だったかなと。トルコとギリシャを合わせてね。
そもそもNICEを知ったのは?
姉が参加していたんですね。詳しい話はきかなかったけれども、2週間チェコに行っていて、なんかおもしろそうだなって思っていたんです。それで普通とは違う旅行がしたかったから参加しようと思ったんですね。観光地以外のところに安く長く滞在したかったのも大きいです。
成長ダイアグラムについて教えてください。
この成長ダイアグラムはギリシャの経験をもとにつけました。
1) 実務的な知識・スキル 2
実務的っていうと今の自分がお金を稼いでいる仕事という意味でとらえました。正直生きていないかなと。ただスコップの使い方は、とってもうまくなりましたよ(笑)。ねらった所にさして、土をかきだせますからね。
2) 人・社会とやっていく力 4
国際に限らず、どのワークキャンプにも色んな人がくるので、どうしても大学時代とかだと同じ人で固まってしまう傾向がありますよね。会社も案外そうなんですけどね。そういう意味で、本当に色んな人の中でちゃんとコミュニケーションをとっていけていたので4くらいの力はついたかなと。背景がバラバラな人がワークキャンプには集まってきますからね。そこはなかなかありそうでない体験ができたと思います。
3) 自分でやっていける力 4
ワークキャンプは現地集合且つ、詳しい情報を行く前に得られないことが多かったりするので、そういう環境でも、なんとかなった!っていう、やればできるって気持ちにさせてくれたので4をつけました。
現地集合現地解散に不安を持つ方もいらっしゃるのですが、ちなみにどう乗り越えたんですか?
僕の場合は、「旅の恥は掻き捨て」の反対だよね。「故郷の恥は掻き捨て」じゃないけど、海外へ行っちゃったら、何でも、いざとなったらやってやるっという根拠のない自信がでてくるんだよね。困ったら交番に走ったり、人に聞いたりすればいいんだろうって。日本じゃ恥ずかしくてできないことも、海外だとなんだか、できちゃうんですよ。もちろんできる準備はしていきますけど、この根拠のない自信、開き直りっていうのかな?も不安を乗り越える時には必要だと思います。
4) 進路・目標 4
現在進行形で、これがって言われれば難しいんだけれど、原体験っていう意味では影響を受けたかなと。色んな国から集まった人達で、楽しく気持ちよく空間を創り上げていくっていう経験は、将来まで引きずりそうだなっと思って。
5) 社会への考えや価値観 5
就職活動を体験した後にギリシャへ行ったんですね。ただ終わったとは言え、システムとか、なんていうのかな、みんなが同じ服着て、面接へ行って、会社に人生を決められるっていう雰囲気があって、すごい違和感を感じていたんです。自分はこれで大丈夫なのか、自分自身もだし、社会もだし。そういうモヤモヤしたまま就職活動が終わっていたんですね。そのまま海外へ飛び込んだんですけど、ギリシャで会った方々は色んな価値観を持って、日本みたいに縛られていなかったんです。世界に視点を移せば、色んな生き方があるんだから、居場所はどこにでもあるんだろうって感じたんです。だから今このまま進んでも、いつでも世界のどこかには帰る場所があるんだって気持ちになれたのは大きかったんです。
6) その後の人生に生きた人脈 4
当然SNSで繋がれているってのもあります。直接会うことはなかなかできなかったりするんですけど、でもワークキャンプを体験した人と、NICEを通じて知り合えたりとか、そういう背景を持っているからこそ、NICEとは関係ないところで色んな活動をしている人たちと出会えたりとか、普段会社では会えない人と会えているっていうのを突き詰めていくと、やっぱり自分がこのワークキャンプを体験したからこの人たちと出会えているんだなっていう人脈がたくさんあるので4としました。はっきり言って、今の僕の、会社や大学時代に関係ない友達っていうと、多分NICEやってないと全員会ってないなって思うんです。将来この人たちと繋がっていきたいっていうメンバーもその中にいるから、4だけど5に近いくらいのものをもらいましたね。ただもっと繋がりたいって意味で一つ下げました。
国際ワークキャンプ@トルコに初めて参加されて、その後NICEの活動に継続的に関わろうと思ったのはなぜですか?行って終わりになってしまう人も多いんですよね。
みなさんもぜひ体験してほしいなって単純に思ったからですね。結構ね、海外旅行へ行かない人っているんですよね。でも行ったら案外はまる人ってもっと多いんですよ。トルコへ行くって話をした時、なんで行くんだ?って怪訝な顔をした友人がいたんですけど、そいつも1年後に海外へ出て、それからはまってバックパッカーで世界を回っていましたからね。やっぱり一回飛び込んでみないと、その魅力ってわからないですよね?老婆心があって(笑)。大学時代は、他のNICEのアクティブメンバーと一緒に説明会などを企画しました。
学生時代は活発に動いていた人も、社会人になるとご無沙汰になっていく人が多い中、なぜ田崎さんは広報チームや社会人チーム等で活動を継続されていたのですか?
デザインとか広報っていう、何も知らない人にアピールする仕事は、社会人1年目が終わったころの自分にはなかったんです。そういうスキルを身につけたかったというのも、広報チームに関わっていた理由ですね。当然僕は就職活動で人生を決めたと思ってないから、これからどう将来進んでいくか決めてないのに、アピールする力がないのはもったいないなと思って。会社でつけられないのであれば、違う場所で学びながら付けていこうと思ったのがきっかけかなぁ。単純に世界が狭くなる恐怖心もあったかな。
それで外へのアピールを始めてみると、NICE=学生、元気な雰囲気=学生みたいな誤解が多かったんですよ。なんでなんだろうって広報チームのメンバーと話し合って、社会人には事情があるんだけれど、もっと週末ワークキャンプとか、社会人向けにすごい価値、潜在ニーズっていうのかな、やってみたらはまるとか、活動してみたら生活が潤うっていうのが社会人だからこそあるんじゃないかって。それで僕が社会人向けに特化した広報チームって形で始めたんです。それが今の社会人チームの原型。
そうなんですね。今は働き方を考えるワークスタイル合宿等を中心に活動されていますが、なぜこの合宿やイベントを企画しようと思ったのですか?
社会人向けの広報を続けていくと、どんどん社会人の参加が増えていったんですね。今では週末ワークキャンプに参加する人の6割が社会人になりました。それで、社会人と学生が混在して、しかも同じ土俵に立って活動できる場ってすごい魅力なんじゃないかって考えたんです。当時学生だった子をつかまえて、社会人と学生を合わせる場を創っていくことにしました。でもただ合わせる、飲み会をするのでは意味がないから、お互いが考えている心の内をぶつけ合える場を創ろうってなったんです。語る場所っていう位置づけで開催したのが、ワークスタイル合宿の最初。就職活動って必ず上下関係ができるじゃないですか。アドバイスする社会人と、それを聴く学生って。そうじゃなくて本音で、且つ同じ土俵でおもいをぶつけあえる場を創ろうと思ったんですよ。合宿は通算6回とイベントも5回かな。企画しました。細々ですが、これからも活動は続けていこうと思います。
ギリシャのワークキャンプで「色んな生き方があっていいんだ」と気付き、就職活動で内定を得た会社で8年間働いていたんですよね。その間、社会人チームで働き方についてとことん考えてきたと思うのですが、ご自身も今年転職をされたんですよね。それはどんな考えがあってそうしたのですか?
働き方には多様性が必要だと思っていて、特に僕の年齢になると、子どもを連れた同級生とかたくさんでてきているし、組織の中で必ず出勤して働く以外の働き方を認めないと、ライフの部分の生活の質が保てない、充実しないなって感じたんです。且つ、僕はITの世界に入っているので言いますけど、ぶっちゃけ、在宅ワークなんて今の技術があればできるんですよ。できるけど、文化として根付かないんだよね。なんでかっていうと、やっぱり多様性が認められない社会が根底にあると感じているんです。こうあるべきだ、こうでなければいけないっていうのがすごい強いんだろうなって。だからIT、普通の会社員の部分と多様性を認めていく、多様性が幸せにつながるんだっていうのを別々に活動してきたけれど、もうそろそろ、平行線を混じわせて行く時期ではないかと。
もうひとつ、若者の就職内定率が下がったとか就職氷河期とかいう言葉を聞くけれど、それって一つの組織に属してそこからのみ収入を得るっていう数字ですよね?でも生き方によっては、収入源が複数あってもいいと考えていて、所属せずに、色んな所から仕事を請け負うこともあっていいと思うのですよね。今のネットやITの力を活用すれば、そういう働き方がもっと広がってもいいと思うんです。後はちょっとしたルールとか文化とかを作る必要はありますけど。そういう多様な働き方がもっと広がるためには、端末やITがもっと使いやすく、広がって行く必要があると感じたんです。それで、デバイス(端末)の開発に自分が関わることで、働き方を模索している人たちのサポートができたらいいなっと思って、転職をすることにしました。今度の仕事は、タブレットとかのデバイス(端末)の開発に携わります。シゴトを増やす仕事になったらいいな。
今後の夢や展望は?
正直どうなるかわからないし、全然関係ない仕事に変わるかもしれないけれど、どんなことをするにしても結局多様性を認めていくっていうところはワークキャンプで感じた経験からずっと自分の中で方向性としてはあるので、いかに今まで持っているもの、こうじゃなきゃいけないという固定観念を捨てる勇気を持つ、感覚を持つ人が増やす活動を続けていきたいなと思っています。幸せな形は人それぞれなんで、色んな生き方・働き方が認められないと、幸せになれないですよね。いつか「あなたは何者ですか」「あなたの所属は」、答え「会社員です」「学生です」という会話が、「あなたは何を楽しみにいきているんですか」「どんなことを楽しんでいるんですか」という会話にしたいですね。それってidentityの多様性が認められたら、人が最初に会う時にでてくる会話になりますよね。
最後にメッセージをお願いします。
そうだな、ITの世界は常にアップデートしているわけね。バージョンアップ。何をアップデートするかっていうと、今まで自分が当たり前だと思っていたこと、常識だと思っていたことを変えていくんですよ。こうしなきゃいけないっていうものは、本当はそんなにないんですよね。自分にもまだあるんですけど、自分の固定されたものをどんどん壊していく、アップデートしながら自分の筋を見つけていく人が幸せになる時代だと思うんですよ。色んな場で、色んな人と語りあって、自分の常識を壊していく経験をどんどんしてほしいと思います。ワークキャンプはその経験をしやすい、一個の方法だと思います。
ワークスタイル合宿は、2012年12月中にやりたいと思っているんで、詳細はまた後日。ぜひ参加して議論を交わしましょう。
座右の銘、補足
キャッチボールが人間関係の基本だと思っているんですよ。野球がうまい人は、相手のとりやすいところ、投げやすいところに投げるんですよ。キャッチボールって投げた人がボールを取りにいくんじゃなくて、失敗した時も受ける側が取りにいくんですよね。特に送球を失敗した時は、相手が走ってボールを追いかける。そうやって失敗をフォローしていく、相手が次にこういう行動をとるから、ここにボールを投げるっていうのはコミュニケーションの基本ですよ。コミュニケーションが充実していけば、まずは身近な人間関係もよくなり、次は社会が、次は世界がよくなっていくんじゃないかと思ったので、「キャッチボールは世界を救う」としました。
田崎裕児さん
2012年4月26日(木)@NICEオフィス
田崎裕児さんの履歴書(603.67 KB)
※PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Acrobat Reader が必要です。Adobe Acrobat Reader のダウンロード(無償)はこちらから
※PDFファイルのサイズが大きい場合、表示するまで時間がかかることがございます。