体験談・スリランカ Passara


   ジョークと笑顔溢れる スリランカの暮らし
 
シンハラ語で「光り輝く島」を意味するスリランカ。スリランカはインドの南に位置し、2009年になってようやく26年間の内戦が終結した土地。植林を始めとした活動以外にも、かつて戦いをしていたシンハラ人とタミル人のコミュニティーの若者を繋ぎ、ワークキャンプを通じて協働することも目指した。 
 
 一番手こずったのは、毎食出てくるカレーでも、高原なのに水しか出ないシャワーでもない。私たちの血を吸ってぷくっと腫れあがらせる大量のヒルでもない。「スリランカ人のジョーク」だ。ワーク初日、活動場所となったのは若者の自殺が頻発した湖。そこの藪を刈り植林をすることになった。すると現地リーダーが「今日の午後には湖に入って、遺骨を拾うよ。みんなせっかく白い服や新しい靴を履いてきたのに残念だね。」と言ってきた。ほとんどの参加者はそれを信じ、私は本気でワークをボイコットしようかと企んでいた。
シリアスなとき程ジョークをかます。どこまでがジョークで、いったい誰を信じたらいいのか分からなくなった。
しかし、そうしたジョークがあったからこそ、お互いのの距離がぐっと縮まり、危機を笑いに変える余裕ができ、言葉や表情を越えてお互いの「心」を読むことができた。
 
 ローカルと同じものを食べ、同じ時に笑い、そして同じかけがえのない時間を共有した10日間。私たちが一緒に植えた心の苗がスリランカの地で育ち、再び光り輝く日を切に願う。